『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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冷蔵庫に白ワインが冷えているのを見た時。
卓袱台の上に真新しい灰皿があるのを見た時。
一度では使い切らない量の食材をかごに入れられた時。
今日も、と、誘われる時。
何かを期待して、それを振り切る。飯を作って、酒を飲む。それだけだ。
***
給湯室で、茶を淹れる金髪を見ていた。
目が合えば、お、という顔をしてから、にやりと笑う。
にこりともしなかったのも、別に悪くはなかったが、こちらの方が良い。
窓を開けようかと思った時、女が入ってきた。
「ロロノアさん、最近ここでさぼってばっかりですよね」
「そうか?」
「そう。あの金髪の人、見てるみたい。お知り合い?」
お互い知ってはいる。茶を嬉しそうに淹れる。美味い飯を作る。口は悪い。字は金釘流。身長は同じくらい。愛煙家。酒を飲むと直ぐに赤くなるが、酔い潰れる事無く終電を逃す事無く帰って行く。後は?
そういえば、名前すら、知らない。
「…いや、別に」
ぼそりと言えば、女は妙な目つきで俺を見た。
「ロロノアさん、あの人に恋してるんじゃないかって、噂になってますよ?」
女はくすくす笑う。つまらない冗談だ。
「あいつ男だぞ?」
「見れば分かります。でも、ロロノアさん、女に興味無いみたい」
女が撓垂れ掛って来る。
お前に興味が無いだけだ、と、言えれば良かった。
つまらない筈の冗談に、僅かに動揺した。僅かな動揺が、反応を遅らせた。拒むなり、払い除けるなり、引き剥がすなり、し損ねた。
金髪が茶を淹れ終わって上げた顔が強張ったのが見て取れた。
そのまま金髪の視線は流れ、金髪は給湯室を出て行った。
遅い。
女を引き剥がすのも、払い除けるのも、拒むのも。
どうして金髪を見たかったのか、分かってしまった今となっては。
噂通りだ。
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20130628-0630,0726,0730
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