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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*現代パラレル

『給湯室』(初回:6月25日)1 2 3 4 5 続き

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 *****
      



 19:00。向かいの会社であの男が動いているのが見える。
 20:00。向かいの会社にあの男の姿は見えない。
 20:30。向かいの会社の電気が消えた。

 しかしあいつは来ない。
 すっぽかされた。

 21:00。会社の戸締まりをして、退勤。

***

 どうして見える位置にある場所に、辿り着かないのだ?
 人に訊こうにも、会社名もビルの名も知らない。道一本隔てた場所だからと油断した。そもそも裏に出入口が無いのが悪い。あればそこから直ぐなのに。
 何度か同じ様な場所を通り、やっと見覚えのある外壁のビルの入口に辿り着き、三階だろうと階段を上った。一つしか無い扉は鍵が掛かっていた。念の為四階と二階にも行ってみたが、同様だった。階段脇の窓から見えるのは確かに自分の勤める会社だ、間違いは無かろう。
 帰りやがった。待ってるって言ったのに。
 いい加減、腹が空いていた。



 昨日は、駅に辿り着く途中で見かけた居酒屋で晩飯を摂った。別段美味くもなかった。十八番だ、と豪語する飯を食うつもりだったのに。酒ももっと美味かった筈だと思えば、腹が立った。
 向かいの給湯室から、紫煙が流れ出ている。給湯室に駆け、窓を開けて怒鳴った。
「待ってるっつったろ!」
「待ってたよ。お前がすっぽかしたんだろ」
 金髪は咥えていた煙草を指に移して怒鳴った。
「行ったら誰も居なかった」
「そっちの電気消えてから30分は待ったぜ?」
 怒鳴っているのに、静かな印象だった。
「…あー、何時?」
「九時まで待った。お前八時には出ただろ。どっか行ってたのか?」
 口を閉じざるを得なかった。

「迷子かよ…」
 呆れた様に呟いたのが、見て取れた。

***

「俺が行く。今日、そうだな、八時。お前んとこのビルの入口で待ってろ」
 すっぽかしたのではないらしいと分かったら、すんなりと代替案が出て来た。
 男は直ぐさま「わかった」と返答した。
7 


20130628-0711,0716

*最終段「七時」だったのを「八時」に変更しました。特に本筋には関係ありません。(0727)
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