『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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お礼名目でコーヒー豆が寄越されたのは、挑戦状なんじゃないだろうか。『俺はこのコーヒーを美味いと思う。さて、お前にこのコーヒーに素晴らしいマリアージュを用意する事は出来るかな?』と。黒マントを翻し甘めの声で高笑いする男を想像した。ご丁寧にシルクハットまで被っている。当然タキシードに片眼鏡着用だ。
上等。受けて立とうじゃないか。
ニューヨークチーズケーキを焼いた。
馬鹿馬鹿しい想像から作ったにしては、上々。
このまま投げたら確実に崩れる。それは惜しい。メモを入れて、プチプチで包む。表にマジックで『要冷蔵』と書いた。
昨日見た、一昨日やった、同じジェスチャーを繰り返す。
今日も無事、受け渡し完了。
プチプチを剥ぐ男を見て、にっかり笑って、窓を閉めた。
***
丸められたエアキャップが手の中に落ちた。『要冷蔵』と表書きされているそれを開いて、先ず手元に落ちた紙片に目を通した。
細いペンで書かれた、右肩上がりの角張った文字。金釘だ。
『コーヒーありがとう。良い豆だな。確かに美味い。
生憎、マフィンは買った物じゃない。俺の手作り。気に入ったならまた作ってやる。
追伸:あのコーヒーには、これが合うと思う。これも非売品。』
手作り?あの金髪は、茶を淹れるだけじゃなく菓子まで作るのか。この要冷蔵品は、…チーズケーキ?非売品、って事は、これも金髪が作ったのか。手作りチーズケーキと聞いて頭に思い描く物より数段洗練されている。こんなもんまで作れるのか。まるで売り物じゃないか。何者だ、あいつ。
向かいの給湯室を見れば、既に金髪は居なかった。
昨日、コーヒー豆を投げてから給湯室を出る直前、向かいの給湯室を見た。
袋を握りしめた金髪が、じんわりと笑っていた。
もっと良く見てから出れば良かった、と、ちらりと思ったのを思い出した。
再びケーキに目を落とす。
そうか、コーヒーにはチーズケーキか。
謀った訳じゃ無いが、ちょっとだけ心の隅で期待した事が現実となった。
チーズケーキは冷蔵庫に入れるまでもなく、毎朝豆を挽いて淹れ、タンブラーで持参するコーヒーと共に胃の腑に収めた。
美味かった。
→5
20130628-07010
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