『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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向かいのビルの、給湯室の窓が、開いていた。
3mの距離に近付くのも、一週間振りだ。
窓を開けた。
ゾロが息を吸い、声を出そうとする。
何を言われるか、怖くて、俯いた。
「明日、休みか?」
思ってなかった問い掛けで、思わず顔を上げた。
「うん」
「明後日は?」
「休み」
「じゃあ、明日」
窓枠を掴むゾロの手に、力が入ったのが見えた。
「明日、準備して、うちに来いよ」
ゾロの言葉は偉そうなのに、顔は随分余裕を失くしていて、その顔は、たった一度、見た事がある。一週間前の、前夜。
「準備、って」
「それとも」
「俺がした方が良いか」
ゾロは下を向いてしまった。
準備って。
その、俺と、する気がある、って、事?
——セックスを?
「準備って、何の為に、どんな事するのか、分かってんのか?」
俺の問い掛けに顔を上げたゾロは、思い詰めた様な顔をしていた。一週間前の、前々日、初めて明日の約束を取り付けた時の様な。
「調べた。分かってる。したい、と、思ったから、…お前と、一緒に」
言いながら、ゾロの顔は徐々に下がって行く。
一週間、迷ってたんだろうか。俺との事を考えて、自分の態度を決める為の、一週間だった?
その結果、俺と一緒に、って、思ってくれた? 自分が準備する事も視野に入れて?
何だよ、凄ェ嬉しいよバカ、一人で迷うな。
「俺がしてく!」
ゾロが顔を上げた。
「俺が、準備、して行くから!」
何て事、会社で叫んでるんだろう。
聞く人が聞いたら分かっちまうぜ、何の事か。お前、変な噂広がっても良いのかよ。根も葉もない噂じゃなくなるんだぜ?
——知った事か。
ゾロが、僅かに弛んだ頬を僅かに赤くして、俺を見ている。
もうそれだけで——。
ああ3mの距離がもどかしい。早く明日になって、思う存分抱き合いたい。
(完)
20131115,1128
*あーサンジがデレた。急激にデレた。
ぐるぐるするゾロに、デレるサンジ。なにその偽者具合。
カレンダー的に、この話の11月11日は木曜日ですね。準備完了な20日土曜日の話もいずれお読みいただきたいです。
エースにちゃんとご登場いただくのは初めてでした。エースは下手に書けない。当て馬界のスーパースター(そんな業界ありません)(嫌な業界)(属したくない)間男界でも良い(良くない)
それも偏にゾロが太刀打ち出来なさそうないい男だからこそ。
兎に角エースは「いい男」。それだけを心掛けた。(これが「おれのおもういいおとこ」か、と思うと眩暈もしますが)
もともと『給湯室』のサンジは、同性だからといって恋愛対象から弾くタイプじゃないんだろうなあと書きながら思っていました。反対にゾロは、同性が恋愛対象になるなんて事は思いもつかないタイプで、それが“普通”だ、とサンジも知っている。そこら辺のギャップを『誕生日の夜』に匂わせてしまって(ノンケ同士が初めて同性に恋した話、でも良かったのかも知れないけど、それだと『新聞屋さん』と被るし、という姑息な事情もありまして。)これは早々に決着付けたい、って事からの続編でした。
彼らの年齢は20代半ばから三十路手間、くらいを想定しています。(普通誕生日と聞いたら「いくつになったの?」くらい訊くんじゃないのサンジ君?)
それくらいまで男性との交際の可能性を思いつきもしなかった男が、他人の陰茎に対する躊躇や、肛門を用いたセックスへの抵抗感を一切持たない筈は無いんじゃないの、という思いからゾロがぐるぐるした…。
そんなゾロは見ていて辛くてですね(自分で書いといてなんだけども)『ピアス』に繋がるから大丈夫、と自分を励ましながら書きました。
「完結までコメント返信しない」とか言ったにも拘らずコメントお寄せいただき有り難かったです。励まされた。非常に。ありがとうございました。
あとがきが長いのは後ろめたい証拠です。でもラブラブだから!あいつら恥ずかしい程ラブラブだから!
お付き合いいただきありがとうございました。
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