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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*6月25日から8月2日まで連載していた現代パラレル『給湯室』の続編 →1
 11月13日付『誕生日の夜』翌日と、サンジの過去

 『恋人』 1 2 3 4

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 ただの知り合いじゃない。
 特別な何かがあった。
 そうじゃなきゃ、あんな顔はしまい。

 直感。あまり歓迎出来るものではない。

 ——二人は今、一緒に居る。


 昨日の今頃、俺は酷く緊張していた。
 男同士だ。有り得ない事だ。すんなり受け入れられるような事じゃない。
 ただ、嫌悪されているとは思わなかったから。好意を持たれているとは感じたから。
 美味い飯、居心地の良い会話、ただ見ている事。
 失うのかと思ったら、耐えられなかった。
 今は付き合っている女も居なくて暇で、俺に与えられているこの情けのようなものが、いつか——例えば好きな女でも出来て暇じゃなくなって——俺に与えられなくなるのだとしたら。
 耐えられないと思った。
 初めて、伝えたいと思った。自分からこんな気持ちが持てるとは思わなかった。薄情な人間だと、恋愛事には淡白なのだと、思っていた。
 駄目で元々なら、ぶつかるしか無い。
 少しずつでも分かってもらって、いつか同じ気持ちになれたとしたら。
 失わずに居られるのなら。
 それはとても幸せな事だと思ったから。

 それが肉欲を含むのかどうかは、正直分からなかった。
 男だと分かっていて、見ていたかった。
 その理由が、肉欲なのか。

 誕生日にかこつけて打ち明けた。受け入れられた。

 触れてみて、はっきり分かった。肉欲込みだ。
 お互い肉欲込みで触れたいと思えるなら、何の問題も無い。男同士だろうが何だろうが。

 それはとても幸せな事だと思った。
 ただ。
 ちょっとした、違和感。
 俺の話は突然だったろうに、すんなりと受け入れられた。あるだろう筈の戸惑いが、見られなかった。
 随分手慣れているような。男同士だというのに。男のものなんて、それが欲望を露わにしているのなら尚更、怯んだりするもんじゃないだろうか。はっきりと肉欲込みな自分でさえ、躊躇した。
 それが、無かった。
 とてもニュートラルな思考の持ち主か、さもなくば、経験が、ある。

 ——そういう事か。
 俺の知らない『準備』とやらを、知っているサンジ。サンジがそれを知ったのは過去。エースはサンジの過去の、知り合い。特別な。


 直感は確信に変わる。全く歓迎出来るものではない。

 ——二人はかつて、一緒に居た。
 
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20131114,1115,1121,1122,1123,1126,1127
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