『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「知り合いですか」
「え、ああ、うん」
俺の尤もな問い掛けに、エースはこちらを一瞥もせず、気もそぞろな様子で答えた。
エースの目が、とても優しくサンジを見ている。まるで、泣きそうに。
「元気か?」
俺なんか、居もしないみたいに投げられる言葉。
「うん、エースも?」
返事するサンジの眉が歪んでいる。まるで、泣きそうに。
俺なんか、居もしないみたいに。
ゆっくりと俯いていったサンジが急に顔を上げて言った。
「エース、ごめん、俺、仕事中で! 暫くこっち?」
「当分こっちだよ」
エースはずっと、じっとサンジを見ている。
「そっか。じゃあ、また…」
「今晩!」
茶を淹れてもいないのに窓を閉めようとしたサンジの手が、エースの声で止まる。
「会えない?」
サンジの瞳が動いて、俺を見た。
「うん…」
「七時に、迎えに行くから」
「うん…」
サンジの瞳はゆるゆると彷徨って、気の抜けたような返事をした。
「あれが噂の『ロロノアさんの金髪さん』?」
トレイだけ引っ掴んで慌ただしく給湯室を出るサンジを見たまま、言葉が投げられる。
同じ様に投げ返す。
「ゾロ、で良いですよ、エース。休憩中でしょう?」
エースが鼻から息を出して、笑った気配がした。
「確かに裏のビルの金髪ってのはあれですけど」
「あれ、ね…」
「どんな知り合いなんですか」
俺の声が、硬い。
「知りたい?」
「…いや、別に」
「そう。じゃあ、教えない」
エースが窓を閉め、それを背に俺をひたと見る。
「俺、今晩サンジと会うけど」
どうして挑むような目だ。
「ゾロも一緒に、来る?」
どうしてそんな誘いをかける。
「久し振りなんでしょう? ゆっくり旧交を温めたら良いじゃないですか」
俺は、どうしてそんな事を言ったのだ。
「言われるまでもないね」
エースは一瞬、射殺すような視線を寄越した。そしてすぐに人懐こい笑顔で歩き出し、擦れ違いざま俺の肩を叩く。
「じゃ、仕事しますかね、ロロノア君」
軽やかな足取りで給湯室を出るエースが、俺とは一言も交わさなかったサンジが、とても遠く思えた。
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20131114,1120,1121
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