『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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やはり本人に訊くのが一番早いだろう。
いい加減はっきりさせたくて、邪魔が入らなそうな頃合いを見計らって——コックの仕事が終わった深夜、他に誰も居ないラウンジで、コックに声を掛けた。
「ウソップが、」
「何」
「一般的に、『可愛い』っつーのは口説き文句だっつーんだが」
コックはぽかんと口を開けている。
「お前は、一般的か?」
ぐるぐると巻いた眉が、一層ぐるぐると巻かれる。
「お前は、俺に口説かれてえの?」
「そんな事言ってねえだろ」
「だったらもう拘んなよ。ついうっかり、口が滑ったんだよ。美味そうに食うから。頬袋膨らまして。そんだけだ」
また。コックの頬が赤く染まる。
それを見ていると。堪らなくなって。
コックはラウンジを出ようとした。逃して堪るか、と思った。
堪らないって何だ。逃さないって何だ。全く分からないが、体が動く。
ラウンジの扉に手を掛けて、コックの行く手を遮った。
「俺、今日もう仕事終わりなの。一日働いてくたくた。分かる?」
「おう、お疲れ」
「…ああ。だから、退けよ」
退けない。退くなと体が言っている。
「ウソップが言うには、」
「もう忘れろって」
「可愛いと思うのは、好きって事だ、と」
「ああそうね一般的にはね」
コックは呆れた様な声色で平坦に言う。
「ぎゅーとかちゅーとかしたい、好きだ、と」
コックの口がまたぽかんと開き、頬が赤くなり、俺はやはりそれを可愛いと思う。だから何なんだこれは。
分からない事に焦れて、言葉が勝手に出る。
「ちなみに俺は、お前を可愛いと思う」
ああ俺は何を言ってるんだ。と思って眉間に皺が寄る。呼応する様にコックの眉も顰められた。
「お前は、俺を口説いてんの?」
「そうは言ってねえ!」
「じゃあ何なんだよ!」
「そりゃこっちの科白だ!」
怒鳴りあって少し冷静になる。
「分かんねーんだよ全く。だから、確かめさせろ」
「何を」
「ぎゅーとかちゅーとかしたら、したかったかどうか分かんだろ」
「お前、俺の事抱き締めてキスする気?」
その言葉に、自分がとんでもない提案をした事を知った。
コックの目が泳ぎ、コックは頬といわず首といわず赤くなっている。
それを見た俺は、はっきりと自覚した。
こいつ、可愛い。ぎゅーとかちゅーとか、したい。
頭に血が上る。俺はコックにじりじり近付いた。俺の顔も赤い気がする。
「やっぱお前が可愛い。ぎゅーとかちゅーとか、したい気がしてきた」
コックの肩に手をかけると、コックは俺を、ぎ、と睨んで怒鳴った。
「ああもう折角人がとぼけてやったってのに!」
コックが、俺をぎゅーと抱き締めた。
もう分かった。疑問は解消した。可愛いってなぁ、これだ。
俺はコックに、ちゅーと吸い付いた。
20130208,0210,0211,0219,0517,0522
*すっかり放置していた『可愛いって何ですか』これにて完結です。おつきあいありがとうございました。
5月16日付『惚気話』に繋がるかも知れませんねーウソップェ…余計なアドバイスしたばっかりに…御愁傷様(晴れやかな笑顔で)
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