恋をすると 2013/05/30__00:00

　短。

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「恋をすると」
　また始まったか、とゾロは思った。

　サンジは何かと喋りたがる。意味の無い事、有る様な事。聞いてやるに吝かではない、なにせ俺はこいつに惚れている。けれど——
「自分で自分がコントロール出来なくなって、ああこんな事なら好きになるんじゃなかった、って思って」
　——過去の恋の話など、聞いて面白い筈がない、なにせ俺はこいつに惚れている。

「それでも、落ちちまうのが恋、だよなあ」
　向けられた笑顔にどぎまぎとする自分を発見して、ゾロは狼狽える。

　狼狽えたのを悟られたくなくて、ゾロは言う。
「だったら、これで最後にしとけ」

　一瞬ぽかんとしたサンジの顔が、じわりじわりと笑んでゆき、ゾロは猶一層狼狽える事になった。

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20130523