『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「女じゃないと思ってたのか?」
本当に女の子だったゾロが、俺の目の前にしゃがんで言った。女の子に対してこんな事言うのは失礼かな、でももう言っちゃったしな。
「…うん。かっこいい男の子だと思ってた…」
今更嘘を吐いてもしょうがないし、ゾロも俺の事を女の子だと思ってたんならお互い様だ。正直に打ち明けると、ゾロはぐるりと瞳を動かして、ちょっと考える顔をしてから、一旦口を引き結んだ。そして、
「じゃあ、お互い様だな」
と言って、笑った。
俺の心を鷲掴みにして離さない、ゾロの笑顔。
まいったな、と思った。
かっこいい男の子のゾロを好きだったけど。女の子のゾロもかっこよくて、その上、かわいい。もっと好きになってしまう。
あんまりまいったんで視線を下げると、決して太くなく、寧ろ細いくらいなのにしっかり筋肉の付いた美しい脚が、目に入った。
思わず顔が蕩けそうになるが気を引き締める。ここは往来だ。
「立って」
俺はゾロの手を握ってすっくと立ち上がった。
腕だけ上がったゾロが顔を上げて俺に問う。
「何で?」
「パンツ見えちゃう」
ゾロは顔を下げて自分の状況を把握すると、立ち上がった。
「ありがと…」
はにかんだ顔は、初めて見る。こんな表情も、俺の心を鷲掴みにする。
「どういたしまして」
そうだ、ゾロにも俺を好きになってもらわなきゃならない。
俺は極上の笑顔でゾロを見つめた。
ゾロの手は握ったまま、俺より少しだけ下にある目を見る。
ほんの少しだけ上目遣いで俺の目を見返すゾロは、迷子になった子供みたいだ。
そりゃそうだろう。女の子だと思ってた俺が男だったのも吃驚だろうし、自分が男の子だと思われてた事もショックかも知れない。俺も吃驚したし、ちょっとショックだし。
手を握ったまま見つめ合ったまま。
この手を離しちゃ駄目な事だけは分かるけれど、どうしたら良いのかは分からないでいると、可愛い女の子の声がした。
「知り合いなの?」
ゾロが視線を向けた先には、すごく可愛い女の子が居た。
「ナミ…」
ナミさんって言うの? ゾロと出会ってなければ必ずや声を掛けたのに!
ナミさんは酷く困った様子のゾロを見て「ちょっとごめんね?」と言って俺からゾロを奪った。
温かかったゾロの手が離れてしまって、とてもとても寂しい。やっぱり、離しちゃ駄目なんだ。
→7
20130313,0317,0318
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