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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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3月14日付 1 3月15日付 2 3月16日付 3 続き

*現代パラレル
*変則にょた(?

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 綺麗な金髪の、色の白い女の子を見かけると、目で追ってしまう。
「ゾロは、金髪に憧れてるの?」
 ナミは不思議そうに問う。
「いや、探してるだけ」
 まだ眉が巻いてる金髪には、お目にかかった事が無い。
 ちょっとだけ、自分よりも背が高かった。今はきっと自分より少し小さいだろう、自分は女にしては大きい方だから。

 帰りたくないと駄々をこねた自分に「夏休みも一緒に遊ぼうね」と言って指切りをしてくれた。頼りないと思っていたのに、そんな時ばかり年上の顔をされて、ちょっと悔しくて。
 約束を破ってしまった事が、気掛かりだった。
 夏休みになって田舎に行かない事を知った自分が泣いて詰め寄っても、母は「もう行けないの」と一言、毅然と言っただけだった。涙を堪える母の顔に、黙らざるを得なかった。
 男の子に興味を引かれない自分を、然りとて女の子に興味を引かれる訳でもない自分を、どこかおかしいのかと思う。他の人には当然備わっているらしい、誰かに惹かれる気持ちが希薄らしい自分を。「好き」の言葉で連想されるのが、あの子だけである自分を。
 約束を破ってしまった気掛かりの所為にした。
 恋と呼ぶのも躊躇う様な、淡い想いを。


「ねえ、あの男の子、ずっとこっち見てる」
 ナミが言った。
「珍しくないだろ、男がお前を見てるのなんて」
 ナミは、目立つ女の子だ。顔は整ってるし、プロポーションも良い。男の視線なんて、掃いて捨てるほど浴びている。
 女の子らしい容姿をしていて、それを上手に自分の武器にしている。嫌な女、と言いたい所だが妙にさばさばとしていて、気が合った。女の子らしくない自分を、そのまま受け入れてくれている様な所も気に入っている。ナミの事を特別に好きだと思えるなら、自分の性嗜好はそういうことなんだろうと思えたろうが、あの子に対する思いはやっぱり違うから、やっぱりあの子だけが特別なんだろう。

「違う、ゾロよ。ゾロの事見てる」
「…物好きも居るもんだ」
 でかくて、筋肉も付いているし、髪は邪魔だから短くしている。制服でも着ていなければ、後ろ姿では先ず男にしか見られないこの体。恋する準備も出来ていない、未熟な心。
「ゾロは美人よ?もっと自分に自信持ったら良いのに」
 別に、自分を卑下する気は毛頭無い。そんな視線は要らないだけ。あの子の視線じゃないのなら、無いものと一緒だ。女である自分を否定する気も無いが、興味の無い人間から女としてみられるのは、寧ろ煩わしい。
「割と格好良いわよ?金髪が綺麗」
 物好きの顔を見てみようと思った。

 振り返った先では、色が白くて、金髪で、瞳は青くて、眉が変な風に巻いている、同じ年頃の男が、目を大きく見開いて、口をぽかんと開けていた。

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20130310,0312,0313,0314
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