『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ぽかんと開いていた口が、『ぞ』『ろ』と形を作る。小首を傾げて『?』付きだ。
まさか、まさか。あれは男だろ?
自分の目が大きく見開いて、口がぽかんと開いているのが分かる。みっともない顔だ。
瞬きしようと、意識的に目を瞑った。ゆっくり目を開いている途中で、男が、走って来るのが見えた。
完全に目を開いた時、男は目の前に居た。
両肩をがっしりと掴まれ、「ゾロだよね?」と問われた。
見た目も男。声も男。けれど、色が白くて、金髪で、瞳は青くて、眉が変な風に巻いている。
ぎこちなく首を縦に振ると、男は破顔した。
間違いなく、あの子だ。
「覚えてる?俺、田舎で、小学生の時、ああゾロは入学前だ、春休みに遊んだの。夏休みにも遊ぼうって約束したけど、会えなくて」
ぶんぶんと、首を縦に振る。覚えてる。忘れた事なんて無い。でも、なんで男?
「ほんとに、女の子だ〜」
男になっていたあの子は、聞き捨てならない事を言って、しゃがみ込んだ。両肩を掴んでいた両手は腕を滑って行き、手の甲を掴んだ。
大きい手。女にしては大きい自分の手が、余らない。しっとりして、少しひんやりとした手に包まれた自分の手が、とても可愛いものに思えた。
「お前、『チビナス』だよな?」
俯いていた顔を上げて、自分を見たあの子の顔は、やっぱり男で、間違いなくあの子だ。へにゃんと下がった眉が、やっぱりあの子だ。
「うん。覚えててくれたんだね。でも、それはジジィしか言わない。ほんとの名前は『サンジ』っての」
そんな事はどうでもいい。
「いつから男になった?」
サンジと名乗った男の口が、ぱかんと開いた。
「えっと、元から男だけど…?」
「女だと思ってた」
「え?」
「ずっと、女の子だと思ってた」
サンジはがっくりと肩を落とし、サンジの手はいよいよ自分の手を離れて地に着いた。
それを惜しく思ってしまった自分を自覚した。自由になった手に、心許無さを感じた自分を。
「ほんとに女の子だ」という事は、「男の子だと思ってた」んだろう。
それが胸がちくんと刺さった自分を。
自覚して、その理由が分からなくて、心許無い。
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20130312-0314,0317
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