『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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小学生になって最初の春休みを、親戚の家で過ごした。
その時出会ったのがゾロだ。
一瞬で心が奪われた。
まるで女の子の様な外見をしていた自分とは似ても似つかない、逞しさを持っていた。
土の中から出て来たばかりの虫や蛇に、サンジはただキャーキャーと逃げ回るだけだったけれど、ゾロは恐れる事無く追っ払ってくれた。
格好良かった。
それまで、自分は絵本の中に出てくる王子様の様だと思っていたけれど、本当の王子様は、ゾロみたいな子だろうと思った。いつか王様になる風格を持った、ゾロ。
ちょっと悔しかったけれど、それは憧れでもあった。
短い緑色の髪は、触るとふわふわしていた。
サンジの握った不格好なおにぎりを、美味しいと言って頬張った。
もぐもぐと動く膨らんだほっぺたの、柔らかさ。
愛想がいいとはとても言えないけれど、時折見せる笑顔は、無邪気で、屈託が無くて。
そのどれもが、サンジの心を鷲掴みにした。
夏休みにも遊ぼうと、約束をした。けれどそれは果たされなかった。
「ゾロはいつ来るの?今日?明日?明後日?」
そう問い掛けるサンジに、ジジィは素気無かった。
「来ねえだろうよ」
そんな筈はない、絶対に来る。
サンジは残りの夏休みをそんな思いで過ごした。けれど、ジジィの言った通り、ゾロは来なかった。
約束したのに。
サンジは失意のうちに夏休みを終えた。
男なんてろくなもんじゃねえ。
自分も男である事は棚に上げ、男全体を恨んでみたりもした。けれど、春休みを思い出す度、サンジの心は温かくなったから、ゾロを恨みきる事は出来なかった。
「そういやサンジって、決まった彼女ってつくんねえの?」
最近彼女が出来たとかで浮かれているウソップが、サンジに問い掛けた。
「んー。女の子はみんな、魅力的でねえ」
ふざけた回答の裏で、サンジの心は、本当の事を言う。
『大事な子が居るんだ』
サンジは女の子が大好きだけれど、ゾロの事は、別のものとして好きだった。特別だった。大事な大事な、サンジの初めての恋。
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