『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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街で緑色の髪をした奴を見ると、つい目で追ってしまう。美女を目で追うのより余程熱心で、そんな自分が可笑しい。あれから十年。それきり会ってないから、すれ違ったって分からないだろうに。
確か一つ年下だった。俺の方が少し背が高かった。もう身長は追い越されてるかも知れない。
「子供の頃遊びに行った田舎の親戚のとこでさ、毎日遊んだ子居たじゃん?春休みに」
ジジィは覚えてるだろうか。田舎の親戚との付き合いも途切れて久しい。ゾロについて何か知ろうとしたら、手がかりはジジィしかない。
「ほら、緑色した髪の子。ゾロって名前で」
「ああ、隣の婆さんとこの。お前夏休みに拗ねてたな、来ねえっつって」
「だってよう、ゾロは約束破る様な男じゃねえと思ったから。今なら、大人の都合とかあったんだろうって分かるけど」
ジジィは、少し困った顔をした。
「夏前に婆さん亡くなったらしいからな、来る理由も無かったんだろうよ」
「そっか。そういえば隣のお婆さんとも会わなかったなあ」
「あとな、」
ジジィは珍しく、言い辛そうな顔をした。
「ゾロは、男じゃねえぞ?」
「は?」
「女の子だ、あれは」
「へ?」
え、だって、凄く逞しかった。俺、王子様だと思ったんだぜ?王様になると思ったんだぜ?
「女の子?」
「立派な男の子で将来が楽しみですな、って言ったら、隣の婆さん、苦笑いして、女の子なんです、って」
ジジィが思い出したのか苦笑いをしている。
「あん時は参った、どうフォローしたもんだか。お転婆ですから嫁の貰い手があるかどうか、って笑うから、きっと美人になりますよ、って言ったけどなあ」
俺、こんなに女の子の事好きなのに、どうして一番大事なのはゾロなのかなって思ってた。何で子供の頃会っただけの男の子に心惹かれたままなのかなって。
「女の子、だったんだ…」
「そうらしいぞ」
「すげえ。コペルニクス的回転」
「それを言うなら転回だ。阿呆」
「そうか、コペルニ展開だな」
ジジィが溜息を吐いたのは分かったけど、そんなのに構っちゃられない。
なんだよ俺、正しかったな。ひょっとしてそういう性癖なのかと思ってたから。それはちょっと納得出来ないっていうか。なんだよ、悩む事なんて何も無かった。
「ゾロが今どうしてるかって、知ってる?」
「知らねえなあ。付き合いもねえし」
「…だよなあ」
これからも俺は、緑色の髪をした子を、目で追うんだろう。但しこれからは女の子限定だ。
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20130308,0310,0312-0314
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