『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「ゾロ、こちら家庭教師の面接にみえたサンジさん」
サンジは、ロビンの麗しい声を聞きながら思った。
…ああ、お兄さんか弟くん。ゾロ君って言うの、よろしくね。お母さん美人で羨ましいよ。お姉さんか妹ちゃんも美人だと、おにーさん嬉しいな。それにしてもロビンちゃん、少なくとも二人生んでてそのプロポーションって凄いねえ。
「この通り無愛想な子ですけど、よろしくお願いね」
「え?」
予想外のロビンの言葉に、サンジは我に返りしかめっ面の闖入者の顔を見た。
「こっちだ」
ぼそりと言って、ゾロと呼ばれた詰め襟の男はサンジの腕を取り引っ張った。
「え?」
ゾロに引き摺られて長い廊下を移動しながら、サンジは一生懸命考えた。
ひょっとして、俺の教え子って、こいつ? まさか!
「時にゾロ君、君にお姉さんか妹は?」
「居ねえ。兄も弟も居ねえ」
「君、中学二年生?」
「そうだ」
ああそうなんだ。
ウソップの奴、美人、って言ってなかったか? ああ、どっちかって言えば、って? そりゃ可愛いか美人かの二択ならって話だろ? 男だなんて。男だなんて。
「男、の子?」
サンジは恐る恐る訊いた。答なんて分かりきっている。
「女に見えるか?」
見えません。
そうか、俺、男相手に家庭教師やるのかあ。考えてもみなかった。つまんねーなあ。断っちまうか? ああでも割の良いバイトしねえと生活が厳しい。それに、そうだ!ロビンちゃん! 娘がアレでも、と思ったじゃないか、娘が息子に変わった所でアレなのは一緒だしもう母親狙いで良いじゃないか!「嗚呼先生いけませんわ、わたくしには主人が居りますのよ、もう息子が帰ってきますわ…」嗚呼燃えるじゃないかよろめきドラマ!
サンジが現実逃避している間に、ゾロの個室に着いたらしい。
やっぱりサンジの全居住スペースより広い。生意気な。
「鼻の長い男に言われて来たんだろ?」
「ウソップの事か。そうだが?」
「何か聞いたか?」
「何かって何だよ? 家庭教師やる気があるなら面接行けって言われただけだが?」
「聞いてないなら良い」
大体、これから先生って立場になる年上の人間に対してこの態度は何だ?全くなってない。ロビンちゃん、あなたは素晴らしい美人だけど、子育ては少々間違ってますよ?
「ゾロだ。よろしく頼む、サンジ」
サンジは家庭教師を引き受ける事に決めた。
「やり直し」
「あ?」
サンジは厳しい先生になる事に決めた。
「ゾロです、よろしくお願いします、サンジ先生、だ」
サンジは厳しい顔で、ゾロを見下ろした。ゾロは口を引き結んで、眉根を寄せている。
「…ゾロ、です。よろしく、お願いします、サンジ…先生」
渋々といった感は否めないものの、教え通りに声を出せた人生初の教え子に、サンジは笑顔で右手を差し出した。
「よろしくな、ゾロ」
差し出された右手を一瞬呆けた顔で見たゾロは、慌てて握手に応じ、サンジの笑顔を見上げた。その顔は、頬にほんのり赤みが差し、更に呆けたものだった。
20130207
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