『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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サンジ君が私の隣を横切る度、あ、と思う。
懐かしい匂い。ふわりと香るのは、煙草だ。
ちょっと懐きたくなる様なその香りは、ベルメールさんと同じ銘柄なのかしら。
「煙草の銘柄?特に決めてませんよ。その時手に入るもので。吸えりゃ良いんです、俺」
咥え煙草でにっこり笑う。
おかしいな。でもそうか。今まで煙草を吸う人とすれ違わなかった訳じゃ無い。でも、懐きたいだなんて思った事は無かった。
シンクの前に立つサンジ君の背中に、張り付いてみた。
「な、ナミさんっ?」
慌てたサンジ君の背中が強張る。
「うん、ちょっと、懐きたい気分なの」
「そ、それなら、しょ、正面から…」
動きを止めたままのくせに、一応主張してくるサンジ君が可笑しい。
「だーめ。このままでいて?」
ふ、と息を吐く音がした。
「仰せのままに」
穏やかな、落ち着いた声で、急に大人振って。
鼻の奥がつんとしたから、ぎゅ、としがみついた。
サンジ君はそのままでいさせてくれた。私の邪魔にならない様な動きで、私を邪魔だと伝えない様に、仕事をしながら。
「私を育ててくれた人ね、煙草を吸ってたの。だからサンジ君に懐きたくなるのかな?」
「それは違うな、ナミさん。それはナミさんが心の底では俺に惚れてるからさ」
とてもとても決めた声で。
「言うと思った。それは違うわ、サンジ君」
「えー、違うのー?」
一瞬にして道化になれるのは素晴らしい特技だと思うわ。
サンジ君の手元から、食材の香りが漂ってくる。
やっぱりこれかな、と思う。
煙草と料理。
今はまだ、そういう事にしておいて?
20130211,0214
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