『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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この海賊船らしからぬ愛らしさのメリーを入手した経緯を、聞いた時だった。
元の持ち主はウソップに気があったんじゃないか、ウソップだって満更じゃないだろう、いや寧ろウソップの方がお熱なんじゃ?
そのどれもに顔を真っ赤にして否定してみせたウソップを見て、心臓がちりと灼けた。
元の持ち主が美しいレディだから、というのではない、と直ぐに気付いて頭を抱えた。
そのレディがほっそりとした色白で金色の髪をもつ、と聞いた時には更に頭を抱えた。
鼻の分際で彼女が居るとは何事だ。その彼女が美しいお嬢様だとは何事だ。
そういう思いが原因だったなら、何も問題は無かった。
ウソップの心の中に誰か、大事な人が居る。その誰かを羨ましく思う自分に、頭を抱えた。
そんなの、間違っているのに。
どうにかしたら俺が、その誰かと掏り替れるんじゃないか、と思った自分に、頭を抱えた。
そんな事、出来る訳ないのに。
いつまでも頭を抱えていられる程、俺は思慮深くない。ひっそりと身を引くという選択肢を選べる程、俺は慎ましやかじゃない。なにせ海賊なもので。
悪い事に、手管は持ち合わせていた。若い男を陥落させるのに必要なものは、たった一つだ。
お互いイイ思い、しようぜ?
心までは望まないから。将来なんて要らないから。せめて同じ船に居る間は。手が届く間くらいは。
快楽を共有するくらい、良いだろう?
自分さえも欺いていた。
悪い事をした。
男同士だから、なんて偏見で人を蔑む様な奴じゃないと、知っていた。優しい奴だと、知っていた。なのに。
見縊っていたのだ、俺は。
男同士なんて間違っている、と自分の感情を受け入れる事さえ出来なかった俺と、同列に考えるなんて。
冒涜していたのだ、俺は。
体だけ、なんて、無理な奴だった。
仲間を欲の対象にして、それだけで居るなんて、出来ない奴だった。
それを分からなかった俺の罪だ。
キスをされそうになって避けたのは、一瞬湧いた歓喜に、恐れを成したからだ。
勘違いしちゃいけない。
この感情は、間違っているんだから。
体だけ、なんだから。
本当に欲しかったのは、体じゃなかった、と。
気付いた時には既に、キスを避けた後だった。
傷付けた、後だった。
それでも、誘う事を止められない俺は、もうどうしようもない。罰してくれて、構わない。
俺を赦せとは言わないから、どうか。
どうかウソップを、真っ当に戻してやってくれ。
最初の時以来する素振りを見せなかったから、油断していて避け損なった、ウソップのキスが与えるどうしようもない歓喜と闘いながら、俺は知りもしない神に、縋っていた。
20130424,20140401
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