『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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12月5日付『キャプテンの憂鬱』前日潭
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「ウソップ〜」
サンジが、俺の名前を呼んで泣きついて来る。
何だよ、何があったんだよ。面倒臭ぇな。
という思いと、
いいぞ、サンジ君。このキャプテン・ウソップの大きくて広くて深い胸に、どんと頼りたまえ。
という思いが天秤に掛かり、拒否した場合の制裁諸々を勘案した結果、おれはサンジをどんと受け止めた。
むぎゅむぎゅと抱きついて来るサンジの背中を、ぽんぽんと叩いて宥めてやる。
サンジは、ルフィがどうの、クソマリモがどうの、麗しのナミさんが云々とぐちぐち言っていたが、基本的に奴は言いたいだけで、こちらの意見など端から聞く気は無いし、口を挟もうものなら何倍も酷い事になるのは経験則で分かっているので、うんうん、と適当に聞き流し相槌を打ってやる。
言いたいだけ言ってすっきりしたらしいサンジは、俺の肩に頬を擦り付けて甘えている。
こいつは、甘えん坊だ。海上レストランでおっさん達に随分甘やかされて育ったんだろうなあ。一番年下だったのに、一番年上になっちゃったもんなあ。うちは人数も少ないし、人恋しいんだろうなあ。
甘え相手をこの俺に定めたのは、まあ、仕方ないよな。他に適任者が居ないんだから。お目が高い、と褒めてやろう。言わないけど。蹴られるから。
サンジもすっかり落ち着いて、ただ無言で抱き締め合っているだけになって、なんかこれって端から見たら微妙なんじゃね? と思って周りを見ると、ゾロがこちらを見ていた。
無類の女好きが男に抱きついて甘えてるなんて、宗旨替えか?
くらいの嫌味でも言ってまた喧嘩をおっぱじめたりしやしないかとハラハラしたが、ゾロは、非常に険しい顔をしたまま、遠巻きにこちらを見ているだけだった。
俺の視線に気付くと、一瞬はっとした顔をして、ついと顔を逸らして行ってしまった。
その顔が、態度が、余りに胸を抉る様なせつなさを帯びていて、これは…、これは。
俺は、分かってしまった。
知らない方が幸せな事も、この世には、有る。
でもまあ、知らないでいて事態が酷くなるよりはましか。
どっちにしたって俺の胃はキリキリ痛むだけだから、この際どっちでも良いが、これはどうにかして、どうにかしたい事態だ。この船の平和は、このキャプテン・ウソップにかかっている。
——荷が重ぇなぁ…
20121216,1231
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