『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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サンジは現在医務室で診察を受けている。
発熱したのだ。
我らが船医のお見立てでは「単純な風邪だね。あったかくして、大人しく寝てれば直ぐ治るよ」とのこと。
診察を受け終えたサンジに「鬼の霍乱」と馬鹿にした様子で呟いたゾロを蹴ろうとして、ぐらりと床が揺れた様に感じたサンジはそのままベッドに倒れ込んだ。チョッパーが「医者ーっ!」と叫んでちょっとした騒ぎになった。
「サンジはベッドから起き上がっちゃダメだ!」
可愛い顔を最大限に恐くして、チョッパーはサンジに厳命した。口答えでもしようものならベッドに括り付けられそうな勢いだったので、サンジは「はい」と大人しく従った。しかし最大の懸念事項だけは確認しておきたい。
「あの、飯の支度ぐらいは…?」
サンジがお伺いを立てると、
「ダ・メ・だ!」
即刻、断固としたお答えが返る。
「…はい」
そう弱々しく承諾する意外、サンジに何が出来ただろう。
大人しくベッドに横たわるサンジに「ざまねぇな」と呟いたゾロを、サンジはキッと眦を吊り上げて見た。それを見たチョッパーは、ゾロを叱った。
「ゾロ、サンジの安静を邪魔したら、サンジのウィルスを培養してゾロに注射するからな!」
それでも医者か。
サンジもゾロもそう思ったが、そんな事を考える医者に口答えなどするものではない。サンジもゾロも、その程度には頭の回る男だった。
チョッパーは、念の為、と皆に面会謝絶を言い渡した。チョッパーに言われるまでもなく、クルー達は医務室に近寄るつもりなど無かったのだが。誰だって自分の体が可愛い。サンジ程の健康体を侵す程のウィルスである。どれだけ強固なものか、考えるだに恐ろしい。
サンジは静かな医務室のベッドで、一人横になっていた。
風邪一つひいた事の無かったサンジにとって、発熱の経験は、非常に恐ろしいものだった。
天井が、回る。恐ろしいものが、襲いかかって来る。
夜半、サンジは魘されて飛び起きた。夢か、と再びウトウトすれば、また。
それが何度目か、数えるのも億劫になった頃、医務室のドアが開いた。ゾロだった。
「面会謝絶だぜ? チョッパーに見つかったら、恐いぞ」
サンジが言うと、ゾロは返事もせずにベッドに近付き、サンジのおでこに手を当てた。
「酷ぇ汗だな」
掌で拭う動きをすると、その手をそのままサンジの後頭部に回し、自らに引き寄せた。
体力を奪われていたサンジはされるがまま、唇が、ゾロの唇に当たるのを知覚した。
熱と、細切れの睡眠でぼうっとしていたサンジは、それが何を意味するのか、理解するのが遅れた。ゾロの舌が口内に侵入し、ひやりとしたぬめりを感じて初めて、それがキスであると理解した。何でゾロが自分にそんな事をするのかを理解するには至らなかった。
ゾロのキスは、長かった。舌がねっとりと絡み、唾液が互いの口内を行ったり来たりした。
やっと離れたゾロの口から、唾液が糸を引くのを見たサンジは、その唾液の先が自分の口から垂れている事に気付いた。もう、何が何だか分からなかった。
一つだけ確かな事を、口に出してみる。
「移るぞ」
「構わねぇよ。移せ。んで、早く治れ」
ゾロは再びサンジに唇を寄せて、言う。
「早くお前の飯が食いてぇ」
再び、長いキスが始まった。
サンジはその行為と言葉に、更に体温を上げたとか上げなかったとか。
20121103
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