酒は飲んでも飲まれるな 2012/11/30__00:00

海賊のつもりで書いてたけど、読み返したらパラレルでも大丈夫な感じでした。
普通のゾロサンです。とても久し振りな気がする！

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　酒瓶を抱えて、サンジはご機嫌だ。
　酔っぱらいは、古今東西面倒臭い。どこかで聞いた標語を思わず口に出す。
「酒は飲んでも飲まれるな」
「なーに言ってんら、飲まされてやってんらよ、ばーか」
　明らかに飲まれた顔と口調で、サンジはにへらと笑う。そういうの、やめてくんねえかな。手ぇ出して良いってんなら、構わねえけど。

　肌がうっすらと赤く染まっているとか、瞳が潤んでいるとか、いつもより数段親し気な口調とか、いつもなら考えられない隙だらけの態度とか。
　襲ってくれと言わんばかり、と思うのは、襲いたい俺の幻覚なのだろうか。

　…幻覚だな。言うまでもないだろ。

　俺は、サンジにか自分にか判別はつかないが、ともかく勝手に漏れる溜息を隠さずに、サンジから酒瓶を奪った。
「あー、何すんら」
　口を尖らせて抗議する。その口に、軽く、口をつけた。

「嫌だったら、もう止めとけ」
　察しろよ？
　何度か瞬きを繰り返したサンジは、俺の手から酒瓶を奪い返すと、ぐいっと呷った。
「おい」
　何で分かんねえんだ。このニブちん。
「やじゃねーもん」
　何？
「寧ろ、もっとしたいね、俺ァ」
「…お前」
「何だよ？」
「あんなもんじゃ済まねえんだからな？」
　凄んでみせれば、サンジは、にやりと笑った。
「あんなんじゃ、物足りねーんだよ」

　ったく、性質悪ぃ。

　俺は、ひょっとしてこいつ、ちっとも飲まれてなんかねえんじゃねえか？　と思いながら、サンジの唇に噛み付いた。

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20121122-1128

　こんなのばっかり。（好きだからしょうがない）