『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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月末。マンションの外廊下に辿り着くと、新聞屋さんが二つ隣の部屋で集金をしていた。
「クレジットカード払いになさいませんか」
「サービス悪くなるんじゃない?」
「そんな事ありませんよ、カード会社のポイントも溜まりますし」
そんな会話の後ろを通って、自室に向かう。
へえ、クレジット。集金の手間が減るしな。販売所で目標何件、とか有るのかもな。あの人の成績に関係あるのかな。断るのは可哀相かな。でも、カード払いじゃ嫌だな。いや、何となくさ。
玄関で、チャイムが鳴るのを待っているのは待ち構えるみたいで嫌だ、と思い、靴を脱いで廊下を歩いた。インターフォンの前に着いた時、チャイムが鳴った。
「こんばんは、青海新聞です、集金に伺いました」
「はーい」
玄関に取って返し、一万円札を出す。
ウエストポーチからおつりを用意している最中「今、お帰りですか?」と訊かれた。
「ええ、今日は、たまたま。いつもはもっと、早いんですけど」
五千円札と千円札を一枚ずつと、透明の小袋を掌に乗せられる。
領収書、サービス誌、新聞袋、ゴミ袋。
「ありがとうございました」と言って会釈。
カード払いを勧められるものだとばかり思っていたのに、そんな話は一切せずに帰ろうとするから、いつもの動作が出来なかった。
変な間を空けた俺を、新聞屋さんが不思議そうに見た。
「あ、いや、お疲れ様でした」
会釈してドアを閉める。
カード払いにしたい訳じゃないのだから、そんな話はされなくて良いのに。
どうしてカード払いを勧めないのか、その理由が気になった。
メモの上に三つ並べたおつりの小袋を見て、どうしてカード払いにしたくないのか考えた。
小袋もメモも、答えを教えてはくれなかった。
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