『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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変わらず伸ばされる手に、安堵していた。
二年。
仮令二年前だって、女代わりにするには少々柔らかみが足りなかったのではないかと思うが、こいつはそんな事に頓着しなかった。そんな繊細な神経は持ち合わせてないんだろう。
否、少々と言うか、ちっとも。レディの代わりにするには妥協が過ぎるだろう。突っ込める穴があって、抱き締める実体があって、それに体温があって、抱き締め返す腕があって、多少肌がなめらかだとか白いだとか。他に選択肢が無いだとか、他の連中よりちっとはマシだとか。
そういう事なんじゃないかと、思っていた。何とは無しに。
二年経って、俺の体は更にゴツくなった。年齢的な成長もあるだろうが、それ以上に鍛えた。その為の二年だ。髭も濃くなった。これはおそらく自己防衛的な何か。染まっちゃならねェ、と男性ホルモンが頑張ったんだろう。
だから、その手が伸ばされる事はもう無いだろうと、思っていた。何とは無しに。
こいつも。
ますますゴツくなりやがって。
二年前も相当ゴツかった印象があるが、それでも、まだ少年の名残を体の線に残していた。それは、男と抱き合う事の嫌悪感を、幾分か減じていたかも知れない。もう今はすっかり男だ。ゴツい男だ。
なのに俺は、変わらず伸ばされた手に、安堵している。
二年前、決して望んでいた訳じゃ無いと、思っていたのに。
伸ばした手を拒否されない事に、安堵していた。
二年。
二年の間に、こいつも少しは冷静になって、当然の様に拒否されるかも知れないと、心の片隅で危惧していた。それをこんなにも怖れていたなんて、拒否されなかった安堵に気付かされて苦笑する。
こいつがどんな思考経路を辿るのかなんて、複雑過ぎて分からない。大抵想像の正反対、或いは、斜め上。かと思うと何の捻りも無い素直な反応。予測がつかない。それが面白いと言えばそうだし、厄介と言えばその通りだ。
自分がどれ程の熱量で俺に望まれていたのか、分かっていなかっただろう。俺の本気を知れば、逃げる様な気がして、何も伝える事が出来なかった。どう思っているのか、訊く事すら出来なかった。一端でも見せて失う事を思えば。
伸ばした手の先で、真意を忖度して揺れた目に、安堵を見つける事が出来れば、それがいかに無駄な躊躇だったか。
だから俺は、変わらず拒否されなかった手に、安堵している。
二年前、決して望んでの事では無い、と思わせていた己の失策を、取り戻す機会を得た事に。
20140412,0414,0821,0824,0825
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