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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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メリーのハンモックは、滅法丈夫。

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 昨夜、コックは酒を飲んだらしい。
 時々、あるのだ。
 目が覚めると、コックが同衾している事が。
 狭いハンモックの中、ぎゅうぎゅうと体を縮こませて、一つの毛布の中に居る。
 そういう時、コックの呼気は微かに酒臭い。
 意識がなくなる程飲んで、人恋しさに負けるのだろう。
 そして夜明けと共にすんなり目を覚まし、溜息を一つ残してそっと出て行く。
 俺が夜中に目を覚まし、己の存在に気付いている事など、気付いていないのだろう。
 俺がどう思うのかなど。

 こういうのは、ちょっと困る。
 嫌じゃないから。
 触れたくなるから。

 次の機会があったら、俺はきっと、触れてしまう。


 次の機会は、程なく訪れた。

 コックが潜り込んで来た途端、ぎゅうと抱き込んだ。
「な、なにすんだクソマリモ」
 一気に覚醒したらしいコックは、逃げようともがく。
 流石に声は潜めているが、うるせぇ。寝入るまで待てば良かったか。でも待てなかった。
「人の寝床に潜り込んどいて、今更それは無ェだろ?」
「お、男同士なんだから、一つの毛布で寝る事だってあるだろ? そんなの、ゆ、友情の一環だろ?」
「俺たちの間に、友情なんてもん、あったかよ?」
 決して離さず、耳元で訊いた。
「う、や、あ」
 動揺している。だったら、こんな事するな。
 首元に鼻先を埋め、息を吸う。酒臭い。
「おま、お前、どうい、どういうつもりだ、よ?」
 どうもこうも、ない。そういうつもり、だ。首元に吸い付いて、言う。
「てめぇこそ、どういうつもりだ? 俺と友情でも育みてぇのかよ?」

「友情…なんかじゃ、ヤダ」
 小さく零されたその声は、頑是無い子供のそれで、俺は庇護欲やら愛しさやらが一遍に喚起され、もうどうしようもない。
「珍しく、気が合うな」
 俺は首元から口を離し、コックの瞳を見た。
 情けない色を浮かべながらもそれは、ぎらり、と光ったから。
 抱き込んだまま、唇を合わせた。



20120802,0927,0930,1029
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