『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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港を中心に栄えたその島は、街が徐々に森に変わり、やがて山になる。
「物価が高いわ」
憤慨したナミの命により、男達は各自山狩りに励んでいた。
山の裾野、森との境に、ウソップは朽ちた教会を見つけた。ささやかなステンドグラスは割れ果てており、マリアのレリーフは埃と蜘蛛の巣に塗れている。
「街に立派な教会があったもんなー」
信者はそちらに移ってしまったのだろう。ウソップは物価調査の折見かけた、派手なステンドグラスに堂々とした十字架を掲げた教会を思い出す。
「俺はこっちの方が好きだけど」
独り言ち祭壇の前に跪く。
「聞いてくれますか?」
特別信心深い訳でもないウソップが、胸の前で手を合わせるのには理由があった。ウソップは悩んでいた。誰かに打ち明けたかった。しかし仲間には言えなかった。
寂れたマリア様に聞いてもらったら、ちょっとはすっきりするだろうか。
ウソップは目を閉じて告解を始めた。
『告解』
サンジに特別な神様は居ない。
それでも、育った場所は神に祈る事をスタンダードにしていた。
神に祈ったからといって救われるとは限らない。サンジは嫌という程知っている。けれど。
サンジがかつて唯一祈ったのは遭難時。出来る事は他に無かった。神が願いを聞き入れてくれた所為かは知らない。けれど。
今現在、サンジは当時救出された結果、生きている。
祈るより他無い時祈ってしまうのは、致し方無い。
『告解 2』
あの寂れた教会に再び行く事は敵わないが、似た様な教会を見つけると、ウソップは跪き告解する。
誰かに打ち明けずにはいられない。誰かに自分達の今を知っていて欲しい。
『告解 3』
今が幸せである事を。
一度言葉にしておけば、記憶の薄れ方は緩やかになる。
仮令分断される日がきても、確と覚えておきたいのだ。
いつか来るだろう別れの日に、狼狽える事の無い様に。
心は別れずに居られる様に。
20150328
*ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
ウソップは両親の愛を見ているから、海賊になった以上、物理的な別離は覚悟してるんじゃないかな、と思っています。それでも心は離れない、と。
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