『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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初めて触れたサンジ君の唇は、とても柔らかで、少しかさついて、甘やかな苦しみを俺にくれました。
それを恋の味って言うんでしょう?
不意を突いた俺に、サンジ君はとても驚いた顔をして、それから目をぎゅっと瞑って、何かに耐える顔をしている様でした。首尾よく唇を奪えても、突き飛ばされるかと思ってた。こんな近距離でも、サンジ君なら膝蹴りで俺の体にドアをぶち破らせる事くらい出来る。自慢じゃないが、サンジ君と戦って勝てる気はしません。だけどサンジ君は、避けていたキスを甘んじて受けている。
そこに、光明を見ました。
唇をゆっくり離して、だけど逃げられない様にしっかりサンジ君のベルトを掴んで、俺はサンジ君の目を見ました。未だぎゅっと瞑ったままだった。
「サンジ。なあ、サンジ。聞いてくれ」
ゆっくりと瞼を開けたサンジ君の目は、何かを恐れている様でした。青い瞳に映る俺が、ゆるゆると揺れていた。
「その、さ、えろい事すんのも嫌じゃねえ、ってかすげー気持ち良いけど、それだけじゃヤダ、ってか、さ」
サンジ君の瞳孔がきゅうと動きました。そんな顔させたいんじゃないんだ。俺が本当に伝えたい事をちゃんと言えたら、サンジ君、笑ってくれるかな?
「俺、サンジが好きだ。ちゃんと、俺の事、見て欲しい」
駄目だった。サンジ君の顔はもっと怯えるみたいに強張った。なんて言えば良い?
「そりゃ、俺は男だし、サンジは女の方が良いんだろうけど、でも、さ」
そこまで言うと、サンジ君は頭を横に振りました。
「お前故郷に、…大事な人、待たせてんだろ?」
ゆっくりと言ったサンジ君の声は、震えて聞こえました。
いつだったかの話の事を言ってるんだろうって事は直ぐに分かりました。
「カヤはそんなんじゃないって言ったろ」
怯えていた目を逸らしたサンジ君は、カヤの名前で小さく傷付いた顔をしました。
「サンジ君さ」
全部分かった気がした俺は、にやにやしてしまいました。
「そんな事気にしてたの」
一瞬で眉を顰めて怒った顔をしたサンジ君の目元はほんのり赤く染まって、ひょっとしたらそれは憤怒のあまりかも知れないけど、俺としては照れたんだと思いたい。
「俺達海賊なんだし、奪うのに遠慮なんてしなくて良いと思うぜ?」
そう言って笑って見せたら、サンジ君は俺の鼻をがしっと掴んだ。痛いよ、サンジ君。それから、そのままぐいと持ち上げて俺に上を向かせて、サンジ君は。
「うっせー、鼻!」
そう言って、俺にキスをしてくれました。
それは、泣ける程苦くて蕩ける程甘い、恋の味でした。
20150324,0325,0329
*まさかの年一連載、完結です。お付き合いいただきありがとうございました。
*ウソップお誕生日おめでとう!
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