『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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<承前>
直ぐに開いた唇で、更に熱い舌を招き入れる。無遠慮に入り込んで来たそれを、同じだけの無遠慮で搦め捕る。湧き上がる唾液と漏れ出る吐息に、意識が飛びかけた時。
カン、と甲高い音が頭上から聞こえた。
柔らかかった口元の感触が一瞬強張り、熱は離れた。
俺の背後の扉が男の体が通る分だけ開き、閉まった。
押し退けられた俺は一人、カン、カンカン、と徐々に大きくなる甲高い靴音を聞きながら、置いて逃げられた事に呆然とした。
「あら、…ロロノアさん?」
壁に背を付けしゃがみ込むので精一杯だった俺に、闖入者の暢気な声が降る。
「具合でも悪いんですか?」
「や、ちょっと、サボリです。内緒にしてくださいね?」
上目遣いで少し照れた様に言う。時偶のこういう表情は女受けが良い。
「珍しいですねー、何もこんな所で寝てなくても良いのに」
思いもかけない言葉に、疑問を露に闖入者を見上げる。
「寝てたんでしょ?」
闖入者は自分の口元を指差し、悪戯気に笑った。
「涎垂れてる。目元もちょっと赤いし、さっきまで夢見てた、って顔してますよ?」
ふふふ、と笑いながら会釈して、カンカンとハイヒールの音をもう一階分高らかに鳴らし、闖入者は一つ下のフロアに出た様だ。
元の通り静まり返った、冷え冷えとした空間で、昂ってしまった体を忌々しく思う。暫くは人前で立ち上がれまい。もう戻らねばならないのに。一体いつまで背中に冷気を感じていれば、心と身体は鎮まるだろう。咄嗟に動けなかった自分と、またも速やかに俺から逃げた男。あの男はあんな官能の交換をしておいて、何の変調も来さなかったというのか。誘った理由も、名前すら、明らかにせず、また消えた。
名残は、生々しく残る口元の感触と、右手の中で握り潰した一本の煙草。身体の中心で燻る熱と、心の底で疼く熱。
俺にそれだけ残して。
<つづく>
20141111,1112,1113
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