『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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俺の淡い期待は裏切られた。今夜も男はそこに居た。腹巻を片手に握りしめて。
—— 第六夜 ——
いよいよ腹巻を収める場所が思い付かなかった様だ。
それじゃコートの前を開けない。
近付いた俺にそっと目を遣り、その様はまるで「これ、どうしたらいいですか」と訊いてきそうなしおらしさだ。そのコートの下は裸で、どうせ今日も元気にエレクトしてるんだろうに。
「…要らねェだろ」
顎先で手元の腹巻を指して言う。
「…要る」
初めて聞く、低く、やや掠れた声は、こんな場所でこんな状況でなければ、なかなかに良い声だと思えたろうに。
強く抵抗の意を示して、男の眦は吊り上げられた。いや、そんなムキになられても。だって、どこに着けたら良いか分からねェんだろ?
「…それ、腹巻だろ?」
男はこくんと首肯く。
だったら腹に巻くべきじゃねェの?と思うが、それではまるで裸腹巻を肯定する様でとても口には出せない。
どうしたものかと逡巡していると、きっぱり腹巻が必要な旨を表した男は、は、と良策を思い付いた顔をして、スカートを穿く様に腹巻を装着し始めた。
本来の位置より幾分下、腰をぴったり覆う、つまりエレクトしたソレをしっかり隠して——盛り上がりは全く隠せていないが——「これでどうだ」と言わんばかりに鼻息荒く俺を睨んだ。
うん、まあ、別に、良いんだけど。
「…それじゃ、見せてェとこが隠れちまうんじゃねェの?」
男は瞠目して、己のソコを慌てて見た。
それで初めて、ソレが腹巻で隠れてしまう事に気付いたらしい。俄に不満を露わにし——自分でやったくせに——下唇を突き出して俺を睨んで、それから握りしめた拳を震わせて、——走り去った。
そんなに悔しいか。
明日こそ現れないんだろうな。そうであって欲しい。
思わずアドバイスしちまった自分の為にも、二度と会わない方が良いだろうと思う。
次に顔を合わせたら、——もっと喋っちまいそうだ。
街灯の明滅が目に煩い。
そういや、昨日は、一昨日は、一昨々日は、明滅していたんだろうか?
男が現れる様になる前は?
遠い昔の事に思える。
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20140501,0505,0509,0511,0513
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