『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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太陽が姿を消すと、気に障る光が影を潜める。星からの朧な光では、太陽程の強い反射は無い。
海が弾く光と、金髪の弾く光。そのコントラストが俺の気に障ってならないのだと、思っていた。海に出た当初、潮を含んだ重たい風が気に障ったのと同じ様に。今ではすっかり馴染んだそれと同じ様に、この金髪も気にならなくなるのかと思っていたが、太陽の元ではどうにも、気に障るままだ。ちょっかいをかけ、ちょっかいをかけられ、気の済むまで怒鳴り手を出し足を出す。少し気が晴れては、また気に障る。それもこれも、太陽の所為だと。
太陽が姿を消してしまえば、穏やかな時を共有する事が出来るのだ。
取り留めのない話をしながら、右肩に存在を意識する。
こいつが昼間の俺の、何が気に入らなくて、夜なら何故穏やかでいられるのか、そんな事は分からない。けれど、俺にも理由がある様に、こいつにも理由があるんだろう。「何考えてるか分かるか」と訊いたっきり、答えも知らせず、左肩に感じているだろう俺の気配を探っているこいつの、何を考えているかなど分かり様もない。星の話などされるに至っては。
奴の中指がじりと動いたのを気取った。
星の一つが海に吸い込まれたのを見た。
何かが胃の腑に分け入った。
求められている。
思い至れば、氷解した。
求めている。
答えが出たのなら、その通りに動けば良い。
抱き込んで、もっと近くで感じたい。星の下では途端に存在感を失くすこいつが、確かに存在するのだと、この身を以て確かめたい。
風の様に掴み所がない気がしていた。それが、今、俺の腕の中にある。
気に障るのは、触ってみたかったからだ、と気付いた。それが叶わないから。甲板に甲が当たって痛いが、弄るのを止められなかった。こいつの頭。小さくて、丸い。掌にぴったり沿って、誂えた様に。さらさらとしていた地肌が、弄るうちにしっとりとしてきた。俺の、仕業で。
後頭部に手の重みと指の感触がある。きっと俺の地肌もしっとりとしてしまっている。
こんな風に許されてしまったら。
「お前、良いのかよ」
分かってんのか。戯れに欲しがられて、それで満足出来る俺じゃねぇぞ?
「悪くねぇ」
少し鼻に掛かった声が、震えて聞こえる。寄せた頬を名残惜しく引き離して、横から目を見れば映った星が歪んで揺らいでいる。
零れ落ちる前に。
理由を考える間も無く吸い取れば、それは潮の味がした。
→ 3
20140322,0323
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