『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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一日の仕事を終えて、眠るまでの一時。俺は甲板で煙草を吸う。過ぎし一日をリセット。やって来る一日を、新しく迎える為に。
「コックさん」
足音も無く背後に忍び寄るのは、心臓に悪いから止めてくれないかロビンちゃん。
「眠れないの? ロビンちゃん」
年上の美女に、動揺を悟られるのは格好悪いから、ゆっくり三秒数えて振り返った。
朧な月に照らされたロビンちゃんの目は、たおやかに撓んでいたから、それは無駄な努力だったかも知れないけれど。
「一本、くれない?」
ロビンちゃんから煙を遠ざける為に口から外して海に向けていた煙草を見て、ロビンちゃんは言った。
「ロビンちゃん、吸うの?」
知らなかった。
「積極的には、吸わないわ。吸えない事も無いけれど」
「じゃあ、どうして」
「今は、吸いたい気分。それとも、お邪魔かしら?」
「とんでもない」
箱から一本、飛び出させて差し出す。細く長い美しい指が、それを挟んで引く。優美な動きだ。羨ましい煙草が唇の真ん中に挟まった所で、ライターに手を翳して着火する。それを目指して軽く屈んだロビンちゃんの顔が目の前に来て、ロビンちゃんの瞼は軽く伏せられていて、煙草なんかじゃなくて俺の唇を食んで欲しいと思ったけれど、…我慢。にっくき煙草に火が移り、ロビンちゃんが軽く息を吸う。赤く燃えた煙草の先が、ゆっくりと遠ざかった。
一旦煙草を外して、海に向かって紫煙を吐いて、ロビンちゃんは言った。
「くらくらするわ」
「俺は、ロビンちゃんにくらくらしてるよ」
「お上手ね」
「本心だからね」
心持ち近付いて、見下ろす視線に見上げる視線を絡ませる。
…駄目だ。ちっとも色っぽくならない。美男美女が深夜に二人きりで、身を寄せているというのに。
背中から渡る風が、二本の紫煙を夜にとかした。
「二十年前の、今日。故郷を失ったわ」
ロビンちゃんは海を見たまま、俺の持っていた灰皿に灰を落とした。
「だから、哀悼」
そのまま煙草を揉み消して、俺ににっこり笑う。
そんな大切な事を、俺に教えてくれるの?
「…気の利いた事でも言えたら良いんだけど」
馬鹿みたいな言葉しか出て来ない俺に、ロビンちゃんは緩く頭を振った。
「コックさんは、いつも私を慰めてくれるわ。ありがとう」
そう言って、俺から離れた。
途中一度振り返って「ごちそうさま」と言ったその声が、とても凛々しかったから。
俺は「どういたしまして」と言った。
ロビンちゃんが欲しがるものは、幾らでも与えよう。俺の持っているものなら全て。俺の持たないものなら奪ってでも。
例えロビンちゃんが欲しいと言わなくても。
優しくて美しいロビンちゃんを守れるのなら、きっと俺は何でも出来るよ。
20121121
女を蹴る事以外はね。
サンロビと読めない事も無いかも知れないけれど、ロビンちゃんとサンジ君は、姉と弟、のような関係が美しいと思います。そして娘と母(!)のような関係もよろしいかと。(サンロビだって構わないんだけどさ)
煙草は嫌いなんだけど、小道具としては誠に便利なものであるなあ、と思う。
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