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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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 高速で突如現れたその船は静かに我らが船に横付けし、当然の様に数多の戦闘員が速やかに乗り込んで来た。望まぬうちにホストにされてしまった我らに対し、招いてもいないゲストは、船の規模なら倍、クルーはおそらく十倍。ただし戦闘力は半分以下といったところか。簡単に返り討ちに出来る筈だった。波が高くさえなければ。
 約半数が悪魔の実の能力者である我らには、少々分の悪い舞台であった。必然、海に嫌われていないクルーの負担が多くなる。白兵戦を得意とする我らが戦闘員は、久々に頭に黒手拭を巻いて三刀を抜き、鬼神の様な活躍ぶりであった。
 逃げ出そうとする船に薙ぎ倒された侵入者を蹴り返し、我らが狙撃手が類稀なる精度で餞の砲丸を打ち込んでやると、我らの麗しい航海士は速やかに船を動かした。

 戦い済んで日が暮れて。波高く荒天の中、手軽に済ませられる様に食事の仕度を終え、配給し、いくらかマシな海域で錨を下ろす。依然波は高く雨風は強まっていた。手元には一人分の食事が残っている。戦闘後、一度も姿を見せない男が一人いるのだ。探してやる義理はない。高波に攫われ海に放り出されているのだとしても知った事か。しかし、気づいてしまった以上、無視をするのもきまりが悪い。それだけの事だ。
 男は後甲板に抜き身のままで居た。仁王立ちで、立つ白波を睨みつける様に海と対峙していた。最後に目にした時と、寸分違わず同じ姿だった。

「おい」
 振り返りやしない。
「メシ。食わねえの。いつまでそんなとこ居んだ。いくら馬鹿でも風邪引くだろ。早く部屋入れ。風呂も出来てるから、あったまんねえと」
 とめどなく声をかけ続けながら、近づく。無言で近づくのはなんだか恐ろしい気がした。体を打つ雨粒は、触れた途端蒸発してしまう様だった。酷く発熱しているのかも知れない。どんな顔で海を眺めているのか、見てみたかった。右から回り込もうというタイミングで、奴の視線が動いた。こちらをぎろりと見遣る。白刃が閃き、三刀が鞘に収まる。
 美しい軌道だった。それに反して、気配は禍々しい。気圧されてなるものかと睨み付けると、瞬時に間が詰められた。まつげの触れる距離で、奴の瞳が光る。

 気圧されてなるものか。その一心だった。体を引かず、顔を背けず、睨みつける。ふ、と奴の眼光が緩み、瞼が降りた。途端、唇に噛みつかれる。がり、と肉の削れる感触がした。次いで鉄錆の味。下唇が引っ張られ、露わになった口内に奴の舌が伸びる。どうして。それでも逃げを打つ気はなかった。うなじと背中をホールドされ、口の中は舌に探索されている。舌の表面同士が擦り合わされ、それがスイッチになった。溢れ出て混じり合った唾液を奪うように飲む。奴の口の中まで舌で追いかけ刮げるように奪い、飲む。飲み込みきれず口角から垂れた分は、顎を薄赤く汚す。押し付けられている下半身は極度の興奮を告げている。既にぐっしゃりと濡れた衣服はそれを強調するばかりだ。もう、何が起こるかは分かっていた。いくら誰も出てこないだろうとはいえ、ここでは、これ以上は。

「こっち」
 無理やり顔を引き剥がして言い、奴の背中に添えた手で移動を促す。数瞬離れた事に不満を示した顔が、然りと肯いた。格納庫の扉を後ろ手で開け、縺れ合う様に扉を閉める。一層薄暗い空間で、硬い床に背を打ち付け転げた。冷え切った指先で、濡れた衣服の細かなボタンなど、無視するより他ない。遠くなった雨音の合間にぶちぶちと糸の切れる音が鳴る。
 胸板同士が触れる。冷えた水分と熱を発する肌を飛び越えて、動いている心臓同士で触れ合っている感覚だった。互いの衣服を争う様に剥ぎ取っていた手を性器に伸ばす。同時に握ったそこは、一際熱く、鋭敏に震えた。既に汁を零している奴の手の中で、縮こまっていた俺のものも擡げている。手だけでは物足りなくなって、腰をなすりつける。背中を撫で回していた奴の手が、俺の尻に伸びた。

「んん」
 低く声が漏れる。谷間を割り入った指が、鋭利な痛みをもたらす。奴は耳同士をこすり合わせる様にして、俺のうなじを嗅いでいる。熱い鼻息が頸椎のでこぼこを撫でる。三連の金属片が、首元の熱を吸収してちりちりと鳴っている。痛みは次第に麻痺していった。
「んんっ」
 高い声が漏れる。一際の違和感の後、何かがどこかに擦れたと感じた瞬間、意図せずに。それが合図だったかの様に、奴は俺の太腿を裏から押し上げた。自身をそこに押し当て、埋めていく。もう、何が起こるかは。
 割れる様な痛みが引く前に裂ける様な痛みが襲い、体の中を掻き回される。内臓を握られ好き勝手に弄られている様な、激烈な感覚。性器を握られるごときの鋭敏では追っつかない。頭の中は白くなり、どこにも力が入らない。直ぐそこで聞こえる筈の湿った音と荒い息遣いが、随分遠くから聞こえる様な。こんなんでこいつは満足できんのかよ、と思った気がする。奴の動きが止まり、ずるりと引き出された後から、どろりと何かが流れ出し、ぽっかりと穴の空いた気分だった、と思う。俺は射精する事なく萎えていた。その後は記憶がない。

 砲台の隙間から、若い陽が漏れている。雨は止んだらしい。
「悪かった」
 寝起きの声が頭上から降る。
「なにが」
 こちらの声も枯れている。
「無理矢理だった」
「自覚あんのか」
「そりゃ」
 奴は恥じ入るように視線を下ろした。随分殊勝な。
「お前、イってねえだろ」
 どこ見てんだ。
「お前は随分ヨかったみてえだな」
 それには答えず、奴は言った。
「お前もイっとくか」
 そして手が伸びてくる。
「アホか。もう朝だろ。今度でいいよ」
 体を起こしながら手を叩いてやると、奴は深く息を吐いた。
「なんだ、溜息かよ」
「いや、今度、があるんだな、と思ってよ」
 奴は叩かれた手を俺のうなじに回し、そっと俺を引き寄せた。力の入らない俺は、されるがままに奴の胸元に額を付ける。
「今度、な」
 そう言う奴の声は、安堵に聞こえた。俺がこそりと吐いた息も、安堵だったと思う。

 何が起こるのかは、奴が戻らない時点で分かっていた気がする。今度を望むかまでは、分からなかった。俺まで安堵するとは、分からなかった。今はもう、分かっている。起こるべくして起こった。


20171107,1108,1201,1222,20180112,0126

*戦闘で昂り無理矢理事に及んだ後朝に謝るゾロ、を書くつもりでした。

*変換ミス発見。避ける様な痛み→裂ける です。修正しました。20180312
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