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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*お題をお借りして、ついったに投げてたのまとめその2。年明けから毎日続けてました。塵も積もれば山となる。
 ブログ再掲にあたり、適宜改行、空白を入れました。

 https://shindanmaker.com/587150
 貴方はzsで『   』をお題にして140文字SSを書いてください。

『   』書いた日

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 *****
      


『世界が狂う』20180101

 思い描いていた俺の世界に、こいつは存在しなかった。それは確かな事だ。しかし今、確かにこいつは存在している。俺の世界に。
 世界が狂う。
 忌々しさと、苦々しさと、何か。それは恐らく、甘美。俺の世界が甘くなる。許容しがたい。しかし最早、こいつの存在しない世界に何の意味があろうか。
 狂え世界。



『救うのは僕じゃない』20180102

 例えばお前が深い暗闇の中に落ちたのだか落とされたのだか或いは飛び込んだのだとして。俺はお前を救えない。その役割は俺じゃない。お前も俺に救われたくはないだろう。救うのだとしたらそれは船長で、それもお前に救われたい意思があったらばの話だ。
 這い上がれ。俺の役割はその後だ。
 先で待ってる。



『御冗談もほどほどに』20180103

 何故か奴と視線がかち合いむず痒い。
「また見詰め合ってるのね」
「いやねえ、だらしない顔」
 揶揄いの気配を漂わせた女共に奴は脂下がった態度で「まさかそんな!御冗談もほどほどに」と。外された視線に心臓をぎゅうと掴まれた心持ちがする。
「それを一般的には恋と言うわ」
 おいおい、一体何の冗談だ。



『覚えてもいないくせに』20180104

「うっわ、何だこの量」
 目を覚まして開口一番、床に散乱した酒瓶への文句。そのうちお前がどれだけ飲んだか、覚えてもいないくせに。お前が呂律の回らない口で俺に何を言ったか、覚えてもいないくせに。どうせ覚えちゃいないだろうと思った俺がお前に一体何をしたか。
 どうかこのまま、思い出さないで。



『上手く、しつけてやらなくちゃ』20180105


 例えば弱音を吐いたりだとか。俺にだけは絶対にしない気もするが、俺にだったらそうしても構わないのだ、と教え込んでやりたい。溜め込んで破裂して壊れてしまう前に、弱さと上手く付き合う方法を、しつけてやらなくちゃならないだろう。さてどうしたら奴は弱音を吐けるだろうか。
 俺にだけで良いから。



『名前を呼んで』20180106

 今更呼べるものでもないが、呼ばずに終えるのもどうにも癪だ。
 例えば「今際の際にでも呼んでやる」と言ったら、奴はどんな顔をするだろう。
 俺の声で聞く己の名が、俺が消える事で得る傷を幾らか和らげるだろうか。
 それとも、傷口に塩を塗る事になるか。
 俺の死が奴の傷になるのかはまた別の話としても。



『救うのは僕じゃない』20180107

「本当は俺が救いたかった」とお前は言った。静かで苦い声だった。それから「でも結局救われたんだから、良いんだよ」と不器用に笑った。何の話か分からなかった俺に「良いんだ、分からないで。独り言だ」と言って顔を背けた。
 昔の話だ。
 今なら同意する。俺が救いたい、けれど救われるならそれで良い。



『世界の終わりは、幸せで』20180108

 そこは世界の終わりだった。全ての海の魚が集う、深い青。幼い頃からここを夢見て、おそらく生きる支えだったろう奴は言った。
「幸せで、」
 続く言葉は聞こえなかった。ただ青の底をじっと覗いて、幼子に戻った様な顔をしていた。今すぐにでも飛び込んで、戻らなくなる気がした。隣を離れられなかった。



『嘘を暴く』20180109

 体は正直だ。
 そんな使い古されたエロ小説の文言も、使い古されるだけのことはあって、あながち間違いではない。
 さんざ悪態をついた口が、今は俺を求める息遣いをしている。
 嘘をつくならつけば良い。それが嘘と分かるならば、愛嬌のうちだ。正直になれないお前ごと受け止めるだけの度量はあるつもりだ。



『結局は、君に辿り着く。』20180110

 事切れて体から抜け出た魂が行き着く先を夢想する。
 体から自由になっても、腹は減るだろうか。だとしたら、お前の元だろう。
 触れたいと思うだろうか。触れた先で変わる表情を見たいと思うだろうか。だとしたら、結局は、お前に辿り着く。
 実際がどうなるかは知らないが、それだけは確かな事に思われる。



『幸せかどうかはともかくも、』20180111

「死んだことにされたり、死にかけたり。死を覚悟した事は何度もあるし、死にたいくらいの思いもしたなァ。それでもまあ、生きててよかったと思うよ、今は」
 その理由に俺の存在が少しでも寄与していれば良いと思う。
「幸せかどうかはともかくも、な」と俺を見て笑った顔は、満更でもないように見えた。



『恋心散弾銃』20180112

 認めてしまえば単純な事で、お前に向かう俺の思いは紛れもなく恋心だ。俺本来の得物は剣だが、それでは断ち切る事になってしまうから、散弾銃を使う事にする。散弾銃は獲物を仕留める為の得物だ。つまり俺はお前を仕留めるつもりだ。仕留めて美味しくいただいてやる。覚悟して待っていろ。楽しみだな。



『寝惚けてた、寝惚けてたんです!』20180113

 目が覚めた時に奴が腕の中に居た。余りの事に停止したままの頭をどうにか動かそうとしていると、ぱちりと目を開けた奴が俺に甘く蕩ける様な笑顔を向けた。ますます面食らう。お互い二つ程瞬きをして、覚醒は奴の方が速かった。
「寝惚けてた、寝惚けてたんです!」
 そうだろうな、俺に敬語を使う程だし。



『どこにもいかないで』20180114

 どこにもいかないであのまま村で生きていたら、海賊になる事はなかっただろう。世界一になる事も勿論なくて、死んだ友との約束を果たせぬ苛立ちで腐って死んだだろう。他者を恋し求める気持ちも知らないままに。どこにもいかないで側に居て欲しいと思う気持ちも何も。
 もしもの話に意味はないとしても。



『逃がさないでね、僕のこと』20180115

「料理は美味いし、まァ体だって悪かないだろ? お得な物件だと思うぜ、我ながら。俺以上の相手なんてそうそう見つからねえよ?」と言ってから「お前に惚れる様なお人好し」と早口で付け加え「逃すなよ、俺を」と不敵に笑ったお前の中に、嘆願している幼子が居る様な気がした。
 逃してなんかやらねェよ。



『好きだって言ったら殴る』20180116

「俺の事どう思ってんだよ」
 酔っ払いだと思うから「好きだ」と言ってみる。嘘ではないが素面には聞かせられない。上気していた頰が真っ赤になった。
「好きだって言ったら殴る、つもり、だっ…た」
 最後はほとんど聞こえない。
「殴らねえのか」
「思いの外、う、嬉しくて、よ」
 つられてこちらも真っ赤だ。

 補足:二人ともだいぶ酔っている。



*140字ぴったりでやってるのにあまりのこっぱずかしさに思わず禁を破って補足してしまったので、一旦ここでまとめました。まだ続けていきたいけれども、負担に感じる様になったらやめとこうね。
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