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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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こちらの、とりとめのないサンジサイド

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 正直、どうしてこんなにもあいつに反発してしまうのか、自分でも不思議だ。背格好もそんなに変わらない同い年。片やイーストの魔獣とまで呼ばれた剛の者。俺はといえば、恩義にかこつけて一歩も踏み出せなかった臆病者。野望の為に、命など疾うに捨てていると言い放ち、実際、散ってみせた男。それを目の当たりにして俺が受けた衝撃を、俺は知っている。あいつは多分知らない。そこらへんが引け目になっているのかな、とは思う。喧嘩したいわけじゃない。仲良くできた方がいいに決まってる。喧嘩、楽しいけどさ。何かあれば、協力して事に当たれることも分かってる。仲良く、なんて柄じゃない。でも、ちょっとくらいは。我ながら、はっきりしない態度だ。あいつはこんな風に、悩んだり迷ったりしないんだろうな。クソ。どうしたって、悔しい。

 俺はコックで、クルーに俺の目の届く範囲でぞんざいな食事を許すわけにはいかない。月見酒、なんて洒落たこと、折角なら美味い肴をお供にしてほしい。それが誰であっても。
 自分一人の為に手間を掛けさせたとあっちゃァ気が引けるだろうから、俺も相伴に与ってやる。ただその程度の考えで、グラスと肴を持参した。そして酔った。ふわふわと、なんだか良い気分で、なんだかなんでも良いような気分になった。ふと横を見れば、良い感じの枕がある。
 ごろりと寝転がって枕にすれば、「おい」と低い声が咎めた。そうだこいつ、声も結構良いんだよな。けちけちするなと言ってやれば、抗議する気も失くしたらしい。そうそう、鷹揚なところもあるよな。勝手に押しかけたのに、黙って酒を注いでくれたし。
 結構な高さでずいぶん硬いけれど、なかなか快適な枕で、すぐに睡魔と仲良くなった。温かな風が前髪と遊んでいる。心地良い。

 朝日に起床を促され目を開けると、硬い甲板に張り付いていた体はばりばりに凝り固まっていた。
「足、痺れなかったか?」
 起き上がり、大人しく枕に甘んじていたあいつに声を掛ける。
「造作もねェ」
 ふーん。首や肩をぐるぐる回し、身体の感覚を取り戻す。
「じゃあ、朝飯の仕度とするかね」
 空いた皿とグラスを手に、キッチンへ。背中で、あいつが甲板に寝転んだ音を聞いた。
 執拗に、しかし優しく、一晩中飽きもせずに風が戯れていた前髪に触れる。なんだか、こそばゆかった。


20170714
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