『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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たまにはラウンジで酒を飲む。仕事を終えたコックが同席する事もある。他のクルーが寝静まった夜、だ。波の音が微かに聞こえるくらいの静かな夜。存外穏やかな空間で、時間は穏やかに流れる。そうして二人の間に積み重なっていく何か、があった。それが何か、については深く考えていなかった。分からないままでも、支障は無いと思っていた。この穏やかさの為には、曖昧にしていた方が良いとさえ。
ちびた煙草を灰皿で気怠げに躙り消しながら、コックはぼうと呟いた。
「唇を吸いたい」
またけったいな事を。と先ずは思った。が。
「ん」
顎を心持ち上げて、吸いやすいように、下唇を少し突き出してやった。
「ん?」
さっきまで眠たげにとろりとしていたコックの目が丸くなった。
「吸わねえのか」
唇を濡らしていた酒が滴り落ちそうになり、舌でべろりと下唇を舐めた。コックの視線がそれにつられてぎこちなく動く。もう一度酒を口に含み、先程と同じように唇を突き出した。ああまた垂れる、と思ったけれど、我慢してそのままにした。コックがじりと動いたのを見たからだ。唇の中央で、雫が落ちる感触がした時、コックが視界から消えた。素早い動きで、唇を離れた一滴を、コックの舌が受け止めた。そのまま、それを俺の唇に戻すかのように、コックの舌が俺の下唇に付く。
酒とは別の、とろりとした感触に唇が甘やかに痺れる。
下唇が柔く齧られる。緩やかに引っ張られ、コックの唇に挟まれる。むにむにと感触を確かめられ、舐められ、吸引される。顎に、ざらりとした髭が触れた感触。そのままざりざりと擦り付けられ、強く押し付けられた唇も弾力と摩擦を楽しんでいる。最後に一つ唇全体を吸い込む勢いで吸って、軽い音を立てて唇が離れた。
唇の中央からまた、雫が垂れた。
正気に戻ったら、「お前のを吸いたかったわけじゃねえ」とかなんとか、ぶつくさ言うんだろう。そしたら俺は言ってやる。
「うるせえ、俺がてめえに吸われたかったんだ」
そして。
「俺も吸いてえ、お前のを」と言って、思う存分吸い尽くしてやる。正気に戻る隙も無い程に。
とろりとしていた目が、顔が離れるにつれて揺れていく。
「お前…」
小さな声が聞こえて、俺はコックのうなじに指をかけた。最後まで言わせるのも言ってやるのももどかしいと思った。思い切り引くと、コックの唇はすんなり俺の唇に付いた。舌を突き出し、コックの唇を破る。さっきまで俺の下唇を噛んだ前歯をこじ開けると、熱い舌がうねり、絡まった。
そろそろ穏やかだけなのにも飽いたところだ。お前もだろ? だからお前は切掛を放った。無意識だったかは知らねえが、生憎俺はそれを逃す程のなまくらじゃねえ。
20180803,0805
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