『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
*****
ゾロは、サンジが料理するのを見るのが好きだった。
シンクに向かって作業しているのを、テーブルに着いて眺めていると、薄いシャツの下で肩甲骨が動くのが見える。
触ってみてぇな…。
…何考えてんだ、俺ァ。
ゾロは頭を振って正気を取り戻す。
それでも、ゾロはサンジを見るのを止める気にはならなかった。
サンジは、ゾロが鍛錬しているのを見るのが好きだった。
海に向かって鉄錘を振り回しているのを、ラウンジを出た所で眺めていると、汗の浮いた肌と筋肉が動くのが見える。
触ってみてぇな…。
…何考えてんだ、俺ァ。
サンジは頭を振って正気を取り戻す。
それでも、サンジはゾロを見るのを止める気にはならなかった。
ゾロは、サンジが寝ているのを見るのが好きだった。
滅多に見られないが、四肢を投げ出しているのはあどけない。たまにはそういうのも良いと思っていた。
サンジは、ゾロが刀の手入れをするのを見るのが好きだった。
ゾロの真剣さは、場の空気を緊張させる。たまにはそういうのも良いと思っていた。
ゾロは、サンジが喋っているのを見るのが好きだった。
男相手にはもれなく口汚く。女相手には無闇に甘ったるく。言葉が、ぽんぽんと飛び出し、流暢に流れる様は、感心すらする。
サンジは、ゾロが寝ているのを見るのが好きだった。
口を大きく開けて、鼾や鼻提灯を惜しげも無く披露して。常なら寄っている眉間もこの時ばかりは大解放で。年相応の暢気さで。
ゾロは、サンジが煙草を吸うのを見るのが好きだった。
煙草を咥えて、火が消えないように片手で覆って風を遮り、息を吸って火をつける。顔の下半分を隠していた手を一度離して、更に顔に近付けて下から再び覆う際、人差し指と中指の股に煙草を挟む。手が下から上へ止まらず動く流れの中で煙草が一旦口から外され、煙と息を吐く。一連の動作で、目線は常に軽く下に向けられており、吐かれた煙を追う時初めて瞳が見える。
その時の何も映していない碧い瞳に、何時もはっとした。
窺い知れない内面を歯痒く思い、俺を見ろ、と願った。
サンジは、ゾロが食事をするのを見るのが好きだった。
食事の前に手を合わせ、いただきます、と言う。大きな手で箸を器用に扱う。ナイフやフォーク、スプーンでも同様だ。食える所は余さず食う。食事後の皿は猫でも跨ぐ。手を合わせ、ごちそうさま、と言う。意外と伸びる頬を限界まで膨らませた大きな頬袋。丈夫な顎をごりごりと動かして咀嚼する。高濃度のアルコールを流し込む。嚥下の際上下する喉仏。時折見開かれ、時折眇められる目。
その時の僅かな表情の変化に、何時もはっとした。
言葉にされない情動を歯痒く思い、俺に教えろ、と願った。
二人は、夜の海を見るのが好きだった。
月と星。風と波。それを、互いの隣で見るのが好きだった。
触りてぇな…。
…触ったら駄目かなァ。
二人は、互いが好きだった。
20120923,1002-
PR
この記事にコメントする
カレンダー
アーカイブ
ブログ内検索
最新記事
プロフィール
HN:
utae
性別:
女性
手書きブログ
リンク
忍者カウンター
忍者アナライズ
P R