『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「ちゃんと呼んでるって言ってたぞ?」
チョッパーはナミに報告した。
「えぇ? 呼んでる、って言ったの? ゾロが? サンジ君の名前を?」
「うん。『大丈夫だ』って。おれ、言っただろ? 嫌いなんかじゃない、って」
どこか得意気なチョッパーを見て、ナミは考える。
一体何時、呼んでるんだろう。ゾロは、サンジ君の名前を。
話は、数時間前に遡る。
ゾロとサンジが、いつもの様に喧嘩を始めた。
刀と、脚。
威力抜群な互いの武器を、遠慮する事無くぶつけあっている。
いつだって、原因はつまらない事だ。なのにどうしてあんなに派手な衝突になるのだろう。
甲板が壊れる前に止めなくては。
隣では、医学書を捲る手を止めたチョッパーが二人を見詰めている。
こんなちっちゃな子を怯えさせて。
ナミは「すぐ止めさせるから、心配しなくて良いわ」と言いながら席を立つ。
「そんなに嫌いなら、近寄らなきゃ良いのに」
呆れた年長者だ、と小さく呟いたのを、チョッパーが拾った。
「嫌い? ゾロとサンジが? お互いを、か?」
意外さを隠しもしないあどけなさに、ナミは丸くした瞳を向けた。
「アレは、嫌いなニンゲン同士が出すニオイじゃない。むしろ好きなんだと思うぞ、おれは」
何言ってんの、このトナカイは。
「ニオイ、って、そんなの、分かるの?」
「おれはトナカイだからな。鼻は利く」
えへん、と胸を張るトナカイは、とっても可愛い。可愛いけれど、そういう事じゃない。
「好きとか嫌いとかって、ニオイがあるの? それで分かるの?」
「正確じゃないし、正解かどうかも分からないけど…多分あってると思うぞ?」
チョッパーは、やり合うゾロとサンジを眩しそうに眺めて言った。
「だって、二人共、楽しそうだ」
そんなものだろうか。
ナミは首を捻りながら、破壊者二人に拳骨を喰らわせた。
「ねえチョッパー、さっきの話だけど」
ウソップに手伝わせて船を修繕する年長者二人を眺めながら、ナミは切り出した。
「好きな人の名前を呼ばないなんて事、ある?」
「私、ゾロがサンジ君の名前呼んでるの、聞いた事無い」
「それに、好きな人に、あんな風に突っかかったりするものかしら?」
チョッパーはナミの言葉に、うんうんと首肯いている。
「確かに、ちょっと心配だよな、あの二人」
「修繕の材料費もバカにならないし」
ナミの溜息に、チョッパーは少し神妙な顔をした。
「名前を呼ばれないってのは、寂しいもんな」
「でも」
チョッパーは一転、抜ける様な笑顔を見せた。
「ナミは、おれの名前、呼んでくれるな」
「みんなの名前も呼ぶけど、おれの名前も呼んでくれるよな」
「みんなも、おれの名前を呼んでくれるよな」
ナミは、ちょっと胸を突かれた。
「当たり前じゃない。私、チョッパーの事、好きよ?」
「みんなも、チョッパーの事好きだもの。当たり前よ」
チョッパーがニコニコ笑うから、もうそれで良いんじゃないかと、ナミは思った。
前回「チョッパーは感知出来るんじゃ?」と思ったもんで。(自分で書いておいて。)
続編というか、前段というか。
そしたら、微妙に違う話になってしまった。
ドラム後アラバスタ前、ってとこでしょうか。
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