『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ゾロは酒を呷りながら唸った。
コイツは、何も分かってない。
俺が、
どうして、お前の居るここで酒を飲みたいのか、なんて。
どうして、お前を毛布の中に引き摺り込んだのか、なんて。
どうして、お前を後ろから抱き込んでいるのか、なんて。
何も分かっちゃいない。
心臓が、早鐘のようなのも、呼吸が、浅く速くなるのも、体温が、上昇するのも。
コイツの心臓が、俺と同じ速さで動く。
コイツの呼吸が、俺と同じタイミングでなされる。
コイツの体温が、俺と同じになる。
それが、俺をどんな気持ちにさせるかを。
気を許して身を委ねるサンジを、ゾロは忌々しく思う。
同時に、嬉しく感じている。そんな自分を忌々しく思う。
どうして、男相手にそんな気持ちに。
どうして、コイツ相手にこんな気持ちに。
穏やかに声をかければ、穏やかな声が返ってくる。
いつもこんな風に出来れば、何かが変わるのだろうか。
そんな風に思って、ゾロは、思う。
俺は、何かを変えたいのだろうか、と。
サンジの寝息がゾロの耳に届いた。
同調していた心臓が速度を落とし、呼吸が深くなる。ゆっくりと、体が弛緩していく。
それを少し残念に思って、少し嬉しく思って。結局どうなんだと頭を抱えて。
ゾロは酒を呷りながら唸った。
幸せで、苦い夜だった。
20121017-
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