『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「誘ってんのか」
「…そうよ」
ゾロの顎のラインを人差し指で辿ると、ゾロはにやりと笑った。それはもう、いやらしい笑みだった。
「悪ィな、俺ァ、無理だ」
「何、あんたインポなの」
ゾロは眉間の皺を深くした。
「随分な自信だな」
「据え膳食わぬは男の恥、でしょ?」
「ハハ、違いねェ。でも、まあ、俺は飢えちゃないんでな」
「へぇ。飢えてない、の。三人っきりの船の上で、若い男の子が。へぇ…」
よもや。
「ルフィとやってんの?」
「やるか馬鹿」
間髪入れずに返った罵倒に、ほっとした。
まだ仲間ではなかった頃の、思い出話だ。
見張り台の上、毛布を軽く肩に掛けたゾロの隣に潜り込む。
ゾロはちらりと視線を向けただけで、直ぐに視線を星に戻し、言った。
「俺は飢えてないって言ったろ?」
「分かってるわよ」
「コックのとこにでも行けよ、あいつなら…喜んで飛び付くだろ」
「行ったわよ。でも」
屈辱の近過去を、話す。
***
ナミはサンジをぎゅっと抱き締めた。密着した体が、互いの鼓動を教える。
「ナ、ナミさんっ?」
サンジは、哀れな程動揺していた。ナミは体を擦り付けて言った。
「ねぇ、サンジ君。私はそんなに、魅力、無い?」
ナミの肩を掴み、相当な勢いで体を引き離したサンジは、いっそ泣きそうな顔をしていた。
「とんでもない、ナミさん。ナミさんは、とっても魅力的だよ!」
「だったら…」
「でも、でもね、ナミさん。俺、…レディ相手に、そんな事、出来ないんだ…」
ぐるぐる眉毛がへにゃんと垂れ下がっていて、この眉毛は雄弁だ、とナミは思った。
***
屈辱ではあるけれど、予め分かっていた様な、どこかで安堵する様な、ついさっきの出来事。
ゾロが僅かに瞠目した。
「あのエロコックが…?」
「そうよ。私、が、断られた訳じゃないから。女がダメとか、ビックリよね?」
ゾロはそれには答えず、何か考え込んでいる。
「じゃあ、ウソップだ」
ゾロは再び星に視線を戻して言った。
「身代わりなんて、ごめんだわ」
「身代わり?」
「ウソップには、居るでしょ、故郷に。大事な人が」
「あぁ、カヤとか言ったか」
「身代わりになるのもごめんだし、彼女から奪うのも気が引けるわ」
「船くれた恩人だしな?」
「誘惑に負けるウソップも見たくない」
ゾロがにやりと、いやらしく笑う。
「女がダメじゃないのに断られるのも、屈辱だしなあ?」
「うるさいわね」
全く、むかつく男だ。
「確かに、身代わりなんざごめんだな」
ゾロが更に悪い顔でにやりとする。本当に、悪辣だ。
「何よ」
「身代わりなんざ探してねぇで、本人を誘えよ」
「本人って、…誰よ」
「言って欲しいのか?」
さぞかし悪い顔をしているのだろうと見ると、意外にも、真摯な顔でこちらを見ていた。
諦めるしかなさそうだ。
「全部お見通し、って訳?」
「お前は、分かり易いからなぁ」
「嘘っ!」
今度こそゾロはかっかと笑った。
「あいつにゃ、小細工は通じねぇだろうよ」
本当に、むかつく男だ。
腹が立つので、一撃必殺カウンターを放つ。
「女がダメなら、望みはあるわね?」
「お前っ、それっ」
慌てたゾロの顔を見るのは、小気味良い。
「全部お見通し、って訳よ」
女に恥かかせた非礼は、これでチャラにしてやろう。そうしてくれて良かった、ってのは、棚に上げて。
「正面からぶつかりゃ、開く道もあるだろ?」
ゾロは言った。
「私に言ってんの?それとも、自分に言ってんの?」
ゾロはぼりぼり頭を掻いた。
「あー、まー、両方? 前途多難だろうけどよ…」
「…お互い、頑張りましょうか」
ゾロと拳を合わせて、健闘を誓った。
20120415,0427,20130421,0425,0428
*一年越し! ル←ナミだけは決まってた。
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