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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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 ゾロはコックさんに一日何回起こされているのだろうか。
(今回は一日一回設定で)

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 *****
      


「てめぇ、もっとマシな起こし方は無ぇのか」
 踵落しだの回し蹴りだの、毎度毎度の物騒な起床には、辟易していた。
「マシな起こし方じゃ起きねぇだろ、てめぇは」
「試してから言え」
 おかしな眉毛を吊り上げて、青筋を立てたコックは、口から鼻から紫煙を吐き出した。
「…吠え面かきやがれ」
 そう言い残して踵を返したコックは、キッチンへと消えた。

 翌日。

 首筋をもぞもぞと何かが這う感触に、意識が浮上した。
 芋虫か何かか? そんなものが船の上に居るのか?
 微妙な生暖かさと、湿り気を帯びた風が伴走する。
 こそばゆさに耐えられなくなり、やっと目が開いた。そこに見えたのは、陽光に輝く金髪。
「あ?」
「お目覚めか」
「ああ?」
 蒼い目と、赤い舌が、見えた。
 風が、空気より冷たく首筋に張り付く。
 この感じは、濡れた肌を外気に晒したのと同様の。つまり、俺の首筋は今濡れている訳で、雨も降っていない今肌が濡れているなら汗をかいたか意図的に濡らされたかのどちらかで、首筋以外にその感じは無いのだから自ずと意図的に濡らされたという結論に至る訳だ。そして、今の今まで俺の首筋にあったのはコックの頭部で、そこから顔を上げたコックの口は半開きでそこから覗いた舌は濡れていた。つまり、つまり? ——コックが俺の首筋を舐めた?
「何しやがるっ!」
「もっとマシな起こし方?」
「ちっともマシじゃ無ぇっ!」
 怒鳴った俺に、コックはにやりと笑って言った。
「選り好み出来る立場だと思うなよ?」
 目はちっとも笑っていなかった。
「飯だ。早く来い」
 そう言い残して踵を返したコックは、キッチンへと消えた。

 翌日。

 俺はどんな起こし方をされるのか、狸寝入りで待っていた。
 コックは起こしに来なかった。

 翌日。

 コックは起こしに来なかった。
 狸寝入りを続けるのも馬鹿らしくて、俺は嘆息して起き上がった。

 翌日。

 コックが食事の支度をしている頃合いを見計らってキッチンに行った。
「こんな時間にどうしたよ?」
「もう、起こしに来ないのか?」
「何。起こして欲しいの?」
 薄ら笑いを浮かべているのは気に入らないが、致し方ない。
「食いっぱぐれるのは勘弁だ」
「どんな起こし方でも、文句言うなよ?」
 そう言って笑うコックを残して踵を返した俺は、キッチンを後にした。

 翌日。

 踵落しだの回し蹴りだので起こされるものと覚悟していた俺は、驚愕で目が覚めた。
「起きたか?」
 俺に馬乗りになっているコックの唇に、湿り気を与えられた唇で、何か言わなくては。けれど何て?
 言葉が全く出ない俺に、コックはにやりと笑った。
「文句は受け付けねぇぜ?」
 そう言い残して踵を返したコックは、キッチンへと消えた。

 翌日。

 俺は、待った。
 その翌日も、そのまた翌日も、俺は毎日、起こされるのを待った。
 コックは毎日、俺に馬乗りになって、唇で、俺の唇に湿り気を与えて俺を起こした。
 
 俺は、待った。
 起こされるのが、待ち遠しかった。



20101010-
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