『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ゾロがルフィを特別な目で見ているのは知っていた。
ルフィにとってもゾロは特別だと感じていた。
最初の仲間。右腕。
海賊王の大剣豪。並び立つ、二人。
羨ましいと思わないと言ったら嘘になる。
立ち入れない絆が、二人には有る、と。
*
サンジの女好きは今に始まった事ではないらしいが、ナミに対する忠誠は、只事ではないと思っていた。
いつでも冗談めかしてはいるが、心の底では本気なのだろう、と。ナミの気持ちが成熟するまで、待つ気で居るのだろう、と。
それだけ本気なのだろう、と思っていた。
ルフィとナミがそういう仲だと知ったのは、偶然だ。
戯れ付きを逸脱して抱き合い、キスを交わす二人を偶然見た。
照れたナミはそれまでのどれより可愛らしかったし、堂々と認めて「ナミには手を出すな」と言ったルフィは、とても男らしかった。
サンジに初めて同情した。
お前、勝ち目無ぇよ。
ルフィにはナミが必要で、ナミにはルフィが必要で、大体ルフィからナミを奪うなんて、サンジには出来る訳が無い。誰からも、何も奪えない。そんな男だ。
ルフィとナミの件は、クルーの知る所となった。
人目を憚る必要の無くなった二人は、以前と変わらずに見えて、以前とは違う色を纏っている。それを見るサンジは、どんな気分だろう。それこそ何も変わらない様に見えるが、人の事を慮って、それくらいの演技をするなんて朝飯前の男だ。
そんな男だから。だから、俺は。
*
元から叶う見込みの無い恋が散るってのは、どんな気分だろうな。
端から諦めてるみたいだったゾロは、何も変わらない様に見える。
万に一つの可能性も潰されてしまって、絶望の縁に居るのかな。仲間の為を思って、そんな素振りは一つも見せずに。
*
欲しけりゃ手を伸ばせばいい。
「慰めてやろうか」
「何? そりゃこっちの科白だ」
「どういうこった?」
「ナミがルフィのもんになっちまって、落ち込んでんだろ?」
「ナミさんにゃ、敵わないもんな」
「何言ってんだ」
「無理しなくて良いぜ?」
付け入るつもりだった。傷心の筈の今ならば。常なら付け入る隙もあらばこそ。今ならば。
お互いの思惑なんて知らないまま、決定的な齟齬を抱えたまま、俺たちは“慰め合った”。
プライドとか引け目とか、邪魔なものを抱えたまま。
する事は同じだとしても。思う事は同じだったのに。
俺たちは、虚しかった。
20121116,20130116
*一文字抜けていた事を発見、訂正(20130208)
「ルフィもんに」→「ルフィのもんに」
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