『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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サンジが、風呂場の前で膝を抱えて踞って居る。目からは涙、鼻からは血を流して。
「何やってんだお前」
一応、訊いてみた。想像はついたが。
現在ナミとロビンがチョッパーを伴って入浴しており、風呂場からは三人がきゃいきゃいとはしゃぐ声が洩れ聞こえている。二十歳の女はともかく、三十路の女がきゃいきゃいはしゃぐのもどうかと思うがそんな事を口に出したらあらぬ所をクラッチされるかも知れない。沈黙は金だ。二年前なら有り得ない事だったし、この二年の間に色々あったんだろう。女同士積もる話も有ろう、二年振りだと思えば許容範囲内だ。それどころか、悪い傾向ではないと思う。
閑話休題。
声で、想像しているのだ、こいつは。そして興奮している。或いは、チョッパーを羨んでいる。
アホだ。知ってはいたが、やはりアホだ。
「…女の子って、良いなあ。なあ、ゾロ?そう思わないか?」
サンジは、情けないここに極まれりといった面持ちで、俺に語りかけた。こいつに穏やかに語りかけられるなど、嵐の前触れかも知れない。少なくとも明日、雪が降る。或いは槍が。
俺はちょっとサンジを憐れに思った。なので、隣に腰を下ろして、頭を撫でてやった。
「お前は、可哀相な子だな」
常なら即座に蹴られるだろう科白と共に。取っている姿勢と位置的に蹴る事など出来ない筈だが、こいつならやる。二年前だったなら。ところが。
サンジは俺の掌の下で大人しく撫でられていた。「うん」と小さく首肯いて、涙と血を増量させて。ちょっと手首の角度を変えたら、こてん、とサンジの頭が俺の肩に乗った。
「みんな無事で良かった」
俺の肩が生暖かい何かで濡れて、俺は「そうだな」と答えた。
キスかなにかでこいつを慰めてやりたくなったが、そんな風に思った自分の方が余程可哀相な子に思えてしまったので、それは止めておいた。
20130117,0120
止めなくて良いのよ?
(っていうか、キスで慰めるなんてどこで覚えたの…?)
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