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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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・現代パラレル
・新聞販売店勤務ゾロ、顧客サンジ

前回:12月15日付
初回:8月26日付

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25

 あれからゾロは、毎朝俺に新聞を手渡して、俺の作った朝飯を食っていく。
 綺麗な箸使いで、美味そうに頬張る。誰も取りやしないのに、勢いよく掻き込む。そして、食器を綺麗に空にして、ごちそうさま、と言う時、ちょっと『しまった』という顔をする。
 そうして、食後のお茶はゆっくり飲むのだ。わざと少し熱めに淹れたお茶を。

 ゾロが茶封筒を差し出した。
「何?」
「あー、食費?」
「何で?」
「いやだって、毎朝飯食わしてもらってるし。材料費ぐらいは。足りるか分かんねぇけど」
「いや、貰う訳にいかねぇよ。趣味の一環だし」
「でも、ただ食わせてもらう訳にもいかねぇよ、こんな美味い飯。俺の気が済まない」
 そんな嬉しい事言うなよ、それだけで充分だ。金なんて貰いたくねぇんだよ。商売じゃないんだ。食ってもらってんだ、こっちは。
「良いんだよ。俺、楽しいし」
「だったら、」
 ゾロはそこで一旦言葉を区切って、ちょっと覚悟を決めたみたいな顔をした。
「俺だって楽しいんだから材料費ぐらい受け取れ」
 え。
 どうしてそんな嬉しい事を言ってくれるんだ。美味いのは当然としたって、楽しいだなんて。やべえよ、泣きそうだ。

「じゃあさ…、うちの店に、菓子買いに来てくれよ、その金で。いつか。手間かけさせて悪ぃけど」
 ゾロは茶封筒をじっと見た。
「それじゃあ、店の利益じゃないか」
「店の利益は俺の利益だ。俺の飯は美味いと思うけど、菓子はもっと美味いんだ。だから、食って欲しい」
 恥ずかしいことを言ってしまった。
 沈黙が居たたまれない。
 堪え兼ねて何か言おうとした時、ゾロが口を開いた。
「分かった。必ず行く」
「おう。いつでも良いからな。駅向こうの『パティスリーバラティエ』だ。青い看板だ、直ぐ分かる」

 あんまり引き止めて睡眠時間を削らせるのも悪いから、ちょっとでも長く居て欲しい邪な気持ちは、熱めのお茶一杯分だけにとどめる。
 いつか、ゾロが俺の菓子を買いに、店に来る。ちょっとした約束が、胸をくすぐって、こそばゆい。


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