『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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サンジは良く喋る。
物静かな男だろうと勝手に思っていたが、見当違いだった。
しかしその声は耳障りではなく、どちらかと言えば耳に心地良い。外見の透明感に相反して、低く柔らかい。
いつまでも聴いていたいと思う。そんな声だった。
そんな声で、食事の間でも、料理の説明や店に来た客の事、今取り組んでいる新作菓子について、など、色々喋る。喋る合間にも食事はしっかり摂っていて、別段行儀悪くも感じない。不思議だ。
俺は食べている間はどうしてもそちらに集中してしまって、掻き込む様になってしまう。いつも直ぐに食べ終わってしまって、気恥ずかしい思いをする。それをごまかしたくて、食後の茶は殊更ゆっくりと飲む。俺が喋るのは主にその時だ。
「何で、パ、ティ…パティ、シ…」
「パティシエ?」
「それ。何で、パティシエ、になろうと思った?」
「ジジィが、…一回会った事あるだろ? 集金の時。変な髭のごついジジィ」
「ああ、お爺さんなのか」
「…養父なんだけど、パティスリーやってて」
「パティスリー…」
「ああ、洋菓子屋。跡継ぎって訳じゃねえけど、俺、料理以外出来ねぇし」
「何で、コックじゃなくて、菓子?」
こんなに美味い飯を作れるのに。
そんなつもりで言ったら、サンジは笑った。
「女の子は、お菓子見たら良い笑顔するじゃん?」
俺の笑顔はどうだ
言いそうになった。何だそれは。言える訳が無い。
曖昧に笑顔を返して、茶をぐいと飲んだ。
サンジは、女の笑顔が見たいから、美味い菓子を作る。
ゆっくりと茶を飲むのは帰り難いからだ、と、認めるのは、怖かった。
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