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『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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*お題をお借りして、ついったに投げてたのまとめその4。2月分。
 ブログ再掲にあたり、適宜改行、空白を入れました。

 https://shindanmaker.com/587150
 貴方はzsで『   』をお題にして140文字SSを書いてください。

『   』書いた日

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『愛を囁け、恋を論ぜよ。』 20180201

「恋ってのは結局、自分の為のもんなわけよ。俺が、好きだなーと思う事が全てなわけ。相手が俺をどう思おうが、関係ねーのよ」奴はへらりと笑った。
「じゃあ、愛は」
 問う俺に一瞬真顔を見せて、耳元で「相手が大事だ」と息を吐いた。それはかそけくピアスを揺らした。
 俺のは恋じゃねえ。
 お前もだろ。



『幸せの終わり』 20180202

 始まりのあるものには、終わりがある。生まれたら必ず死ぬように、この幸せはいつか終わる。そして別の幸せが(或いは不幸せが)始まるのだ。
 この想いを告げたら、この幸せな片想いは終わる。次に来るのは、不幸せな失恋か、はたまた、幸せな両想いか(もしかしたら、幸不幸は逆なのかも知れないが)。



『なんで、わたしだけ』20180203

 あの二人が妙に艶かしい雰囲気を醸し出しているのに遭遇するだけでも厄災だと思うのに、邪魔だという目で睨まれたり、大慌てで何に対してか分からない否定をされたり。なんで私だけこんな目に!
 憤っていると「お前だけじゃねえぞ」こそりと呟かれた。ああ一安心…しないわ!なんの慰めにもならないわ!



『チョコとかパフェとか、愛とか』20180204

「女の子は甘いもんが大好きだ。チョコとかパフェとか、愛とか」
 最後にだけ疑問符をつけて、お前は少し茶化して言う。
 確かに、女じゃねえ俺はチョコだのは好きじゃねえ。だが、お前が言う事は少し違ってる。
 女が甘いもんを好きなんじゃなくて、お前がやるのが好きなんだろ。
 お前はよく寄越す。愛とか。



『君のいない春に眠る』20180205

「お前は秋生まれなんだな」
 覚えちゃないがな、と返すと「そりゃそうだ」と笑った。
「俺は春に生まれたらしい」
 春も、秋と同じ様にひっそり二人で祝うものだと思っていた。約束はしていないが、なんとはなしに。
 それが、春を迎えようというのにあいつは居ない。戻るまで、俺は眠っているより他にない。



『泣けない子』20180206

 奴は酷く落ち込んでいる。気丈に振る舞っていたが、俺らには分かった。
 立ち去ろうとする女と小声で話した。
「傍に居てやらねえのか」
「私が居たら泣けないでしょ」
「俺が居て泣くと思うか」
「泣かしてやったら?」
「お前すけべだな」
「そんな意味じゃないわよ、すけべ」
 それで泣くなら話は早いけれど。



『一時休戦』20180207

 奴とは常に戦っている気分でいる。日常生活は勿論、同衾している時でさえ。戦いたいわけじゃない。かと言って、甘ったるい仲良しでいたいのでもないから厄介だ。
 いつになったら、一時休戦、出来るかね。
「一生無理じゃねえか?」
 それは、一生傍に居ろって意味?
「まあな」と照れるから、休戦の気分だ。



『第三者いわく、』20180208(改訂しました)

 第三者曰く、俺のこの感情は恋らしい。そんな甘ったるいもんが俺の中にあるなんて、考えもしなかった。
「甘いだけじゃないのよ」
 第三者は言う。
「しょうがないわ、落ちてしまうのだから」
「知った風な口だな」
 多少の揶揄いを込めて言う。
 数瞬目を丸くしてから意味深長な微笑み。九つ年上の女は手強い。



『今は、譲ってあげるよ』20180209

 たまに優しくされたい夜もあるの。そんな時は、こちらの気持ちを汲んで、普段とは違ったさりげない優しさをくれる彼の元へ行く。
 ところが今夜は、先客があった。うたた寝の彼の髪を優しく梳いて、奴は唇に人差し指を当てた。
 仕方ないわね、とウィンク。今は、譲ってあげるわ。高くつくわよ、覚悟して。



『愛されてるのに、気付いてよ』20180210(出題日)/2011

 船長をはじめとしてクルー一同、お前の飯をどれだけ楽しみにしてるか知ってるだろ。その中には勿論俺も含まれる。料理がお前の全てだというなら、それはお前自体が望まれているのと同じだ。
 気付けよ。お前は愛されてる。俺は、飯だけじゃねえけどな。
 あいつらにしたって、そうだ。お前が、愛されてる。



『人恋しい冬に、ひとりぼっちだ』20180211

 腹の底から温まるスープ、体の芯から煮えるような体。
 冬に人恋しいのは、単純に、あったまりてえから、かも、な。
 今凍えそうに寒くて、冷たい雨が降っていて、心は死んだ鉛のようだ。
 俺はひとりぼっちだ。こんな時に限って。
 二度と触れる事の無い体温を思う。
 どうか息災で。代わりの体温、見つけろよ。



『褒めてやろうか?』20180212

 通りすがりの婆さんに手を貸してやっていたあいつを、ちょっと揶揄うつもりで声を掛けたんだ。「褒めてやろうか?」って。
 勿論「宜しく頼む」などと返されるとは思っていなかったが、この返しも想定外だった。俺と俺の飯が、あいつにとって褒美であるなんて。
 どんな顔をしたらいいか分からなくなった。

 (2017年8月15日付同軸)



『悪天候はむしろ、好都合』20180213

 雨ならば甲板には誰も出て来ない。敢えて雨に打たれる様な酔狂は居ないのだ、俺ら二人以外は。
 雨の滴る奴の長い前髪を俺は掴んで絞る。俺の短い髪を奴は払って雨粒を飛ばす。濡れて冷えた唇がゆっくりと近づき、触れた途端に激しく貪る。
 悪天候はむしろ、好都合。どんどん降って、二人閉じ込めてくれ。



『名前を呼んで』2018214

 名前を呼んで、振り返る奴の顔は想像がつく。面倒臭そうか、苦虫を噛み潰した様か。俺の声だから。
 俺が奴に名前を呼ばれたら、ちょっと振り返れないかも知れねえ。初めて俺の名前を呼んだ奴の顔がどんなかは見たい気もするけど。
 そんな事を思いながら呼んだ。思いの外優しげな顔で振り返られ、焦った。



『聞こえなかった告白』20180215

 やっと決心がついたのだった。抱えたまま燻るよりぶつけて砕けた方がマシと。
 間の悪い事に邪魔が入り、剰え茶化されて(仮令悪気は無かったとしても)決心は砕けた。
 聞こえなかったのなら幸いだ。仕切り直すなり想いを消すなり、すれば良い。
 対応のまずさで告白の内容が露見していたと知るのは先の話。

 (1月20日付同軸)



『寂しい、と呟いて』20180216


「寂しい」と、特に思ってもいない感情が、口からまろび出た。
 寂しい訳がない、こんなに賑やかな船でこんなに刺激的な冒険を続けている。
 時々感じる遣る瀬無さが、そんな事を言わせたのだろうか。
 不毛な恋をしている。
 その相手はぎょとした顔を見せてから、俺を揶揄った。
 お前も寂しく思ったり、する?

 (2017年9月8日付同題同軸)



『君のいない春に眠る』 20180217

 奴が秋生まれだと知った時、俺は春生まれだと告げた。
 冬を挟んで、こんな季節にお前は生まれたんだな、とかなんとか言われるもんだと思っていた。
 その機会は訪れる事なく、再びの秋にまた一つ歳をとったと笑う事もない。
 季節もへったくれもない海で、俺は永遠の眠りにつく。
 せめて数度、祝いたかった。

 (2月5日付同軸)



『上手く、しつけてやらなくちゃ』20180218

 同じ船に乗る事になって、先ず思ったのが「こいつらを、上手く、しつけてやらなくちゃ」という事だった。こいつらときたら、全くなってない。船でコックに逆らう事が、何を意味するか分かっていないのだ。
 もしコックが俺じゃなくなっても、困らないように。
 俺が奴らの態度に腹立ちで死んでしまう前に!



『これだから酔っ払いは!』20180219

 あいつが「これだから酔っ払いは!…寝かせてくる」とかなんとか言って俺を担ぎ上げる。薄暗い男部屋で二人きりになって「おい、本気で寝てるのか」なんて小さい不安げな声を出すから、俺はくすりと笑って口付けてやる。
(くっさい芝居しやがって、と皆が微笑ましく思ってるのは、知らぬが花ってやつ)



『どこへ帰ればいい?』20180220(出題日)/0221

「冒険が終わったら、お前は故郷に帰るんだろ?」
 うっかり帰れなくなった俺の故郷も航海士が見つけるだろうから、と。
「お前はあのレストランか?」
 奴は一瞬昏い顔をしてから「そこ以外、どこへ帰ればいい?」と言った。
 確か北の海の出だったろ、そこは駄目なのか。だったら俺と一緒に東の海に帰るか。



『御馳走様でした。』20180221

 奴が言われて一番嬉しい言葉。
 言ってむざむざ喜ばせてやるのは業腹だが、食いもんに罪は無い。
 食事の前後には手を合わせて、頂きます、御馳走様でした。
 礼節を守るのは大切な事だ。
 そうすると、奴はちょっとだけ頰を緩ませる。すかしてやがるから、ほんのちょっと。
 しばらく見ていない。早く見てえな。



『幼馴染、やめたいんだけど』20180222

 七つの歳まで一緒に過ごすと恋愛対象になりづらいのだとか。あいつ勿論そんな論文、知らねえよな?
「幼馴染、やめたいんだけど」
 あいつの方向音痴に散々迷惑かけられた後、うんと呆れた態度で言った。
「同感だな」
 そっぽを向いたあいつの閲覧履歴に、件の論文があると知るのは、恋人になった後だった。

 補足:止むを得ず幼馴染設定現パロ
 補足:そんな研究があると何かで目にした気がするんですけど、ちゃんと読んでないし、七歳かどうかも怪しいので、本気にしないでくださいね。



『君をお買い上げ』20180223

「てめえを買い上げるには、いくら必要だ」
 再三口説いてなお首を縦に振らない男。
「出会った頃なら六千万、山を越えたあたりで一億二千万、新世界に入って三億二千万、今なら、五億?」
「釣り上げてく気じゃねえだろうな」
「そんくらいの男になれよってこったろ」
「すぐだぞ」
 小さく笑う。
「待ってる」



『道連れ最果て』20180224

 どう足掻いたって、畳の上で死ぬ平穏無事な人生には成り得ない。望んでもねえ。だったら、行き着く先は、地獄の最果て。
 こんな深みにはまるだなんて、思ってもなかったのだ。奴の人生を思えば、捨て行くべきだったろう。
 しかしその時は過ぎた。それに奴自身も「道連れだ」と笑ったから。
 いざ最果てへ。



『「新手の誘い文句ですか?」』20180225

 二人きりの真夜中に、耳元で熱っぽく「触りたい」と囁かれた。
 一瞬、口説かれでもしているのかと思った。
 いやいやそんな訳ないだろう、喧嘩とかならともかく。
 そうか、喧嘩のお誘いか。
「新手の誘い文句か?」と問うと「新味はねえだろ」と不満げに言う。
 え、喧嘩じゃねえの? マジで俺を口説いてる??



『好きだって言ったら殴る』20180226

 俺からのアプローチをさんざ袖にしてきたくせに、妙に雰囲気を作ってこようとする。
「今更好きだとか言いやがったら、殴るからな」
 にやけそうになる頰を堪えて言うと、甘く掠れた声で「殴られてやるよ」と耳元に吹きこみやがる。
 どういう心境の変化だ。
 さあ言え、遠慮なく殴ってやる。濃厚な口付けで。



『消えた足跡』20180227

 追って来た筈の足跡は、そこで途絶えていた。少し先には森。そこまで飛べば(奴はなんと、空を飛べるようになっていた)あとは樹上を伝って、追跡を許す足跡を残さずに逃げ果せるとの目論見だろう。足跡を消して行くのなら、俺の心に刻んだ足跡もまた、消して行けばいいものを。
 俺が諦める訳ねえだろ。



『道連れ最果て』20180228

 俺が目指すのは、全ての海の魚が集う海。そこへさえ行ければ、あとはどこへ行こうが構わない。他に行く所が無い。
 お前も来るだろう? 俺の最果てへ。そしたら腹一杯食わせてやるからさ。そのあと、俺も連れてけよ。お前の最果てへ。
 離れてやる気はもう無ェぞ。「道連れだ」と笑うと、承諾の笑みが返る。

 (2月24日付同軸)



*出題日に書けなかったり、再掲にあたり改訂したり、ゆるい運用ですが続けています。お題被りするとつい同軸で考えちゃう。
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