opzs.kesagiri.net_blog 140文字SS「貴方はzsで〜」5

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『ONE PIECE』の腐妄想（主に戦闘員×料理人）や感想など＊大人の女性向け腐要素満載

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2024/04/29__19:01

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2018/04/01__00:00

＊お題をお借りして、ついったに投げてたのまとめその5。3月分。
　ブログ再掲にあたり、適宜改行、空白を入れました。

　https://shindanmaker.com/587150
　貴方はzsで『　　　』をお題にして140文字SSを書いてください。

『　　　』書いた日

　*****
　　　　

『10センチが憎い』20180301

　額を擦り付けてがなり合う。その時、唇の距離は十センチ。息を感知出来る距離。
　この高揚は、喧嘩の為だけじゃない。憎からず思っている、それどころか僅か十センチが憎い。
　触れられたらどれだけ良いか。
　そう思っていると、知られる訳にはいかないと思う。
　愛を囁く距離なのに、出て来るのは罵倒ばかり。

『覚悟はあるか』20180302

　恋は落ちてしまうものだから、仕方ないとして。それを表に出すかどうかは、自分の意思だ。
　俺がどれだけ取るに足らない存在だとしても、奴に全くの影響を与えないなんて事はない。ましてやこれほど熱の孕んだ想い。俺が奴に何某かの影響を与える。奴を歪め過つ可能性。
　おい俺、お前にその覚悟はあるか。

『消えた足跡』20180303

　消えた足跡を前に奴が困惑している。
　二年修行をしていたら空を飛べるようになり、足跡を追って来る奴を撒くのは簡単になった。
　しかし奴も同様に修行しており、気配の察知はお手の物、なのだろう。す、とこちらを見定めた。
　生憎それは俺も得意だ。適度な距離で逃げる。まだ捕まってやらねえよ？　まだな。

　（2月27日付同軸）

『もっとアドリブで恋したい』20180304

　出会って口説いてデートして。お茶に買い物食事にベッド。そんな、誰かの書いた台本の筋書きを追うみたいなのじゃなくて、もっとアドリブで恋したい、なんて思った事もあったけど。
　これは流石に想定外だ、まず相手からして滅茶苦茶だ。なんでこんなのと出会わせっちゃったの神様、アドリブが過ぎるぜ。

『いやお前が言うな。』20180305

「おやつだ」
「こんなのしか作れねえのかよヘボコック」
「文句あんなら食うなヘボ剣士」
「食うに決まってんだろアホ」
　奪い取って行った奴の頰は緩んでいるに違いない。
「素直じゃねえな」
　呟く彼の頰も緩んでいる。
　いやお前が言うな。とは思ったが、賢明な俺はそれを胸に収めたのであった。おやつの為。

『この寂しい口に、キスをどうか』20180306

「煙草がきれちまって」
　奴は歯切れ悪く言った。
「口寂しくてよ」
　突き出された唇が、妙に目につく。
「塞いでやろうか」
　こんな薄ら寒い科白しか吐けないこの寂しい口に、役立たずではないと証明する為のキスをどうか。
　唇を寄せ触れた熱は、口だけが寂しいのではないと証明する。
　満たされるが、足りない。

『不幸の始まり』20180307

「俺なんかは生まれたのが不幸の始まりだったから、その後は、出会った全員が恩人みたいなもんで、まァお前との出会いも、よ？めっけもんって言うか、さ。お前にとっては、不幸の始まりかもな。俺みたいなのに捕まっちまってよ」
「馬鹿言え、捕まえたのは俺だ」
　お前となら、不幸も悪くねェと思うから。

『桜は、まだ咲かない』20180308 

　桜もどきで乾杯した時、笑顔が目に焼き付いた。宴の後、唇を寄せてそう告げた。
　酔っていたのだろう。
　微かに触れた唇は、引き結ばれている。返事を促すと「時間をくれ」と言う。
　いつまで待てば良い。
「次に桜で乾杯したら」
　この海で、季節は不規則に巡る。はぐらかされたのだろう。桜は、まだ咲かない。

『逃げるなよ、追いかけたくなるだろ』201839

　焦れた様に伸ばされた手に、掴まれるすんで。するりと躱し、じっと視線を合わす。
「逃げるなよ、追いかけたくなるだろ」
　照れを含ませた不機嫌さで奴は言う。なんて素直なんだ。
　視線は外され、存外長い睫毛が揺れた。
「追わせる為に逃げてんだ」
　耳元で囁くと、ピアスも揺れた。
　躱す間も無く、捕まった。

『逃がさないでね、僕のこと』2018310

「もう逃がすなよ、俺のこと」
　もう追うなって？　それとも。
　腕を引き、項にも手を添える。
「逃げる気、あんのか」
「その気がなくたって、そうなる事も、ある、かも、知れね、え」
　俺が口を塞いだ所為で、言葉は途切れた。舌の感触に夢中になって、その話は立ち消えた。
　今の状況を想定したとは思わないが。

　（3月9日付同軸）

『お前ごときに、救えるものか。』20180311

　何か、抱えているのだろうとは思う。どうにかしてやりたい気も、ある。
　その度、心中に谺する。
　お前ごときに、救えるものか。
　それは、俺の声だったり、奴の声だったり。或いは、全く知らない誰かの声。
　奴がこの状態に甘んじているなら、それを良しとしているのだろう。
　ならばせめて、俺の出来る範囲で。

『誰よりもその場所が欲しいの、』20180312

「誰よりもその場所が欲しいの、に」
　急に芝居掛かった物言いをするから何かと思ったら。
「その場所を俺に用意するお前を、俺は軽蔑しちまうんだろうな」
　捻くれたお前の、本音だろう。
「その場所が何の事かは知らねェが、安心しろ」
　誰かの居た場所を、お前の為の場所にするつもりは無ェ。お前はお前だ。

『強い人』20180313

「母親が、とても強い人だった、って、分かったよ。それまでは、ただただ優しい人だと思ってた。まァ、朧な記憶だったけど」
　実家はどうだった、と水を向けたら、少しはにかんでそう言った。二人で酒を飲んで酔いが回った頃。
　さぞかし似てるんだろう。強いと優しいは並び立つ、と具現するお前は母親に。

『負けてたまるか』20180314

　負けてたまるか、と思う。あいつに対しては、常に。
　高みの見物を決め込んでいる内なる俺の一人が茶化す。
「男たるもの、勝負とあっちゃァな」
　更にもう一人が混ぜっ返す。
「ところがどっこい、これは勝負じゃねェんだよ」
「おやおや一体、何なんだい」
「それがな…」
　どうやら、恋と呼ばれる感情らしい。

『お味はいかが？』20180315

　サーブしながら、反応を伺っているのは知っている。料理の腕には絶対の自信を持っていながら、気になるはなるらしい。
「お味はいかが？」
「どうした、珍しい」
　気にはするくせに、直接感想を求めた事なんて無かったろう？
「まー、たまには、気になるっつーか」
　歯切れ悪く、視線は泳ぐ。さては毒入りか？

『恋人だった』20180316

「恋人というのは、互いに恋しく思っている者同士の事だわ。あなたたちは私と知り合う前から恋人だった、でしょう？」
　そう告げると、当事者の一方は口を引き結び（しかし頰が緩んでいたから満更でもなかったみたい）もう一方は何やら大慌てで弁明をした（その頰の上気は慌てた所為だけではなさそう）。

『水槽に浮かべる』20180317

　水に浮くのは、水より比重の軽い物。この水槽の中身は海水だから、この水槽に浮くのは、海水より比重の軽い物。
　魚は当然、浮かずに泳ぐ（浮いていたら死んでいるのですぐさま処理して腹の中へ収めねば）。
　芽生え始めた淡い想いなら、浮くかと思ったんだ。一直線に沈んだね。もう、笑うしかなかったよ。

『お味はいかが？』20180318

　美味いと思っているのは分かっている。褒められたいわけではない。ただこいつの口から「美味い」の一言が発せられた覚えがない気がしたら、気になって気になって。つい「お味はいかが？」なんてしゃちほこばった言い方をしてしまった。
　珍しい、と言われて恥ずかしくなった。「美味い」と言われて更に。

　（3月15日付同軸）

『これだから酔っ払いは！』20180319  

　アルコールがもたらす人体への影響。顔が赤らむなど見た目の変化。理性の緩み、身体機能の低下。
　色素が薄い所為か、俺の頰は少しのアルコールで良く染まる。だから、アルコールに弱いと誤解されがち。
「これだから酔っ払いは！」とでも思ってくれたら良い。奴に凭れ掛かりながら思う。素面では無理だ。

『幸せかどうかはともかくも、』201803020（出題日）/0321

　俺に付き合ってたら、いつか命を落とすかも、と懸念を告げた。
「死にそうな目に遭ったとしても、大事なもんを大事に出来るんなら。それが一般的に幸せかどうかはともかくも、今の俺には、間違いなく、」
　奴が少し照れたようなはにかむような表情で雰囲気を和らげたから、俺にとってもそれは間違いなく。

『なんで怒らないの！』20180321（出題日）/0322

　女が奴にわざと冷たく当たっている。しかし奴は女に非常に甘いので、怒ったり困惑したりはしない。業を煮やした女が怒鳴る。
「なんで怒らないの！」
　奴はぞっとする笑顔で女に耳打ちをした。
「俺はね、怒られたい人に怒ってやる程お人好しじゃないんだよ」
　女は心臓を射られた顔をした。
　あの食わせ者め。

『AM 3:00』20180322

　午前三時。夜明けの少し前、海は一番暗くなる。
　たまたま目が覚めて、甲板に出た。先客が居る。奴は明け方にならないと眠らない。
「お前なんでいつもこんな時間まで起きてるの」
「好きなんだ、この時間」
「今なんじか、知ってるか」
「午前さんじ」
　照れるなら言うな馬鹿、こっちまで恥ずかしくなるだろ。

『眠ってしまおうよ。』20180323

「もう眠ってしまおうよ、寝ないと、参っちゃうから」
「目が覚めた時、誰か待っててやらないと」
「それならおれが」
「お前だって眠らないと」
　船医は船医の立場で、苦笑いと共に指導した。
「今夜はもう起きないから、だから、寝て」
　奴がどんな覚悟であれに向き合ったか知っている。とても眠れやしない。

『愛されてるのに、気付いてよ』20180324（出題日）/0325

　馬に蹴られるのは御免だけど、いい加減苛々するじゃない？だから言ったわけ。「愛されてるのに、気付いてよ」って。誰にって？そうね、御し易いのは彼の方だけど、頑固なのも彼だから。あの朴念仁に、ね。そしたらなんて返してきたと思う？「知ってる」よ？信じらんない！だったらどうにかしろっての！

『信じる神様が違う』20180325

「俺とお前じゃ、信じる神様が違うんだ」
　奴は此の期に及んでぐずぐずと言う。どうせ祈りもしないのに。
「だったら、同じもんを信じりゃ良い。あてにならない神なんかじゃなく、二人、同じく信じられるものを」
　曇っていた瞳が、光る。
「俺たちが、王にする男を」
　やっと笑った。「とっくに信じてる」と。

『朝食を御一緒しませんか』20180326

「朝食を御一緒しませんか」なんて、どこぞのお嬢に対するかのように畏まって言うから「いつも一緒だろ」と答えた。
　ここは島。一晩の上陸中、クルーは自由行動となる。
「馬鹿だな、二人っきりで、って事」
　今度はこっそりと耳打ち。大層いやらしい声で鼓膜を揺さぶる。
　朝飯食う余裕なんて無くしてやる。

『だれにもおしえてあげないよ。』20180327

　調子っぱずれの鼻歌はよくよく聞くと「だれにもおしえてあげないよ。」と繰り返している。
「何を秘密にしてるんだ」
　鍋を掻き回す奴の背中に問えば、ちらりとこちらを見てにやりと笑う。
「秘密」
　俺の為だけに作られたスープは美味そうな湯気で食欲をそそる。秘密はきっと、媚薬の作り方。俺の為だけの。

『嘘だけ、うまくなっていく』20180328 

　これが恋だと自覚した時、これだけは隠し通さねばならぬと覚悟した。見せて良いのは、本音に見せかけたうわべだけだ。
　騙せ、騙せ。奴を。奴を知る全ての者を。俺に恋われる奴など、あってはならぬのだ。
　嘘だけ、うまくなっていく。
　いつしか俺自身をも騙しきれたらその時は、ちゃんと仲間と胸を張れる。

『縁があったら、また明日』20180329

　宿屋の前で鉢合わせ、同衾と相成った。
　翌朝。
「縁があったら、また明日」
　ひらりと手を振って、背を向ける。広い島だ、まして奴は稀代の方向音痴。次に会うのは船の上だろう、奴が帰って来られれば。
　ところが奴は着いて来る。
「縁なんて、とっくに」
　そりゃそうか、と苦笑する。明日どころか今夜もまた。

『桜は、まだ咲かない』20180330

　あまりに驚いて、勿体振るような真似をしてしまった。
　同じ気持ちだと伝えるのが良いか、今後や奴の事を思えば気のない素振りをするのが良いか、とっさに判断出来なかった。
　桜は、まだ咲かない。返事はまだだ。
　奴ははぐらかしたと思っているかも知れない。確かに、まだ咲かないで欲しいとも思っている。

　（3月8日付同軸）

『幸せがまわる』20180331

「お前は人の幸せばっかり考えて、お人好しだな」
「そうでもないぜ、みんな幸せな方が、俺も幸せだし。結構利己的なんだ」
　幸せがまわると考えるお前は、やっぱり心が広いよ。俺なんて、あいつが素敵な女性と結婚して幸せになる未来を望んでやれない。それが俺の幸せになるなんて思えない。狭量なんだ。

＊縛りの一つとして、名前は出さないことにしてるんですが、登場人物でゾロとサンジに次いで多いのはウソップじゃないかな、数えてないけど。そこに居てくれると、とても安心感があります。俺たちのウソップさん！という感じ（どんな感じだ）お誕生日おめでとう！

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