『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
*****
31
何度謝る気だろう。
信じられない様なゾロの言葉に呆然となりながら、そう思った。
どうやらゾロは、とても鈍い。
三ヶ月前。ゾロが朝飯を食いに来なくなって、俺は、とても惨めな気持ちになった。惨めな気持ちに一段落つくと、逃げられたんだ、と思い至った。想いに、気付かれたんだ、と。
そりゃ、逃げる。
男が邪な気持ちを持って胃袋を掴んで来ようとしてるんだと、男が知ったら、逃げる。当然だ。
仕事を辞める程怖かったかと、嘲笑が湧き、その後、涙が浮かんだ。
益々惨めだった。
たった二週間だったけれど、楽しかった。ゾロも楽しいと言ってくれて、嬉しかった。それが全部台無しだ、と。
ゾロは、俺の想いなんて、ちっとも気付いちゃいなかった。
それどころか。
ゾロが、俺を、好きだった?
なんだよ、俺も、相当鈍い。
なんだよ、三ヶ月も、苦しかった。馬鹿みたいだ。
「ゾロ」
ゾロは、俺に手首を掴まれたまま、俺を呆然と見ている。
「俺が、ただの親切で、飯を食わせてたと思うか?」
「楽しい、って言っただろ?」
「お前だから、食わせたかったし、食って欲しかった」
「分かるか?」
「お前は、謝る事なんか、無い。俺は、——嬉しいんだ」
一言一言、噛み締める様に言う。
一言毎に、ゾロの顔が歪む。
「お前も、俺、を?」
「ああ。——好きだ」
きっと俺の顔も歪んでいる。
二人して苦しかったなんて、馬鹿みたいだな?
PR
この記事にコメントする
カレンダー
アーカイブ
ブログ内検索
最新記事
プロフィール
HN:
utae
性別:
女性
手書きブログ
リンク
忍者カウンター
忍者アナライズ
P R