『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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目が覚めて最初に嗅いだ匂いが、毛布に淡く残った煙草の残り香だった。
それに頬が弛む自分を、忌々しく思う。
男なのに。惹かれる。確かにここに居た。今はもう居ない。
それら全部が綯い交ぜになって、胸が苦しくなる。
「恋をすると、胸が苦しくなるのよ」
「じゃあ、そんなのしなかったら良いじゃねェか」
「馬鹿ね、それが良いんじゃない」
「…した事あんのかよ」
「…内緒」
幼い日の、戯れ言。
あの日儚く笑った少女は、今の俺を、笑うだろうか。
毛布の残り香を、深く吸う。煙草に覆われたその奥に、男そのものの匂いを見つける。
それは更に胸を苦しくさせ、そして、それは良いものだ。
既に忙しく立ち働いているだろう男、その本体の匂いを、嗅ぎに行こう。
この胸苦しさも、少しは治まる。
そして、また深く——しかしそれは、決して悪いものではない。
それもひっくるめて全部、忌々しく、しかしそれこそが、俺を浮き立たせるのだと、俺はもう、知っている。
忌々しい男だ。俺にこんな気持ちを植え付けて。
それを求めて止まない自分をすら、愛おしく思わせるあの男を。
良いものである胸苦しさと共に、抱き締めに行こう。
20140224
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