『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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どうにも苛立って仕方のない理由が、何であるかなんて。
気付けない程、俺はボンクラじゃなかった。
気付かなきゃ良かったのに。
己の、細やかな感情を拾う聡明さを呪ってみたって、手遅れだ。
惚れてんだな、俺は。あの腹巻クソ剣士に。
あんまりな結論に重くて堪らず、テーブルに肘をついて支えていた頭を、重力に任せるまま、テーブルに打ち付けた。
鈍い音がして、額が痛かった。
しかしもっと痛かったのは、心だ。
言葉にして認めてしまえば、すんなりと腑に落ちるその事実が、胸を痛くさせた。
俺が男に惚れるなんて。
違う。
俺が惚れて良い男じゃない。
全てのピースがかちりと嵌まった様に座りの良い結論。
俺が惚れて、某かの影響を与える事など、許されない。
野望の為なら命をも捨てたと、なんのてらいもなく言える男だ。
ふわふわとした恋情など、どこにも差し挟む余裕など無い。
俺は可愛い女の子と、ふわふわとした柔らかくて甘い恋をしたかった。
そんなささやかな夢は、海の泡になってしまった。もう二度と叶えられる事は無い。
俺はきっと、この恋から、一生逃れられないだろうから。
そう思わせるだけの強さを、ゾロは放っている。
最悪だ。絶望だ。
だけど。
俺は、強欲なんだ。
相手の為を思って身を引くなんて殊勝な心は、持ち合わせちゃいない。
それが、一生ものの恋なら、尚更。
諦めらんねぇよ。
だけど。
俺は臆病で。
体だけの関係を望んでると取られたとしても文句を言えない様な、誘い方をした。
「なあ俺お前の事好きなんだけど」
決定権はゾロに投げた。
それは俺の卑怯だし、もしそう言って許されるなら、良心だ。
思わず漏れた心からの声が、拒否されたのは、その罰だろう。
まァ、良いけどな。
射殺すみたいに俺を見るゾロの目に、恋情を探してしまう俺の罪を。
俺に苛立つゾロの、その理由が俺と同じであると期待する俺の罪を。
ごまかす様に無言のセックスを重ねた。
「なあ俺お前の事好きなんだけど」
俺は、どうしたら良い?
身を引くべきだし、諦めらんねぇし、期待しちまうし、お前の邪魔になりたくねぇし、お前の邪魔にもなれねぇなんて、知りたくねぇし。
強欲で、臆病な俺は。
この恋に一生捕われて、海の泡になってしまうのがお似合いなんだろうな。
20140215,0217,0305,0310
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