『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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サンジが、空間の一点を見つめている。何を見ているのか分からない、何も見ていないのかも知れない。謂わば、虚無。
そのまま知らぬ振りで通り過ぎることが出来ずに、ゾロは思わず声に出した。
「…何だそのウロみたいな目」
サンジは弾かれたように声の出所を見た。
「うろ?…鱗?…光ってたか?」
「ウロコじゃねェ、ウロ、だ」
「何だよ、それ」
どうにも弱々しいサンジの声に当てられたか、ゾロの口調もやや弱い。
「あー、知らねえか」
「バカにすんのか!」
やっといつものサンジに戻った。喧嘩腰で凄む様はまるでチンピラな。
「そうじゃねえよ、お前海育ちだろ、知らなくても不思議はねェな、っつーことだ」
「海にはねェモンか」
「木、あんだろ、森に生えてるやつな」
「そんくれェ知ってる」
「年寄りの木なんかは、時々、幹ンとこに穴が空いてる。それが、ウロ」
「へえ…。俺の目が、木の穴みてェだって?」
「なんつうか、ぽっかりとした空洞っつうか、暗闇っつうか、あんまり生気の感じられねえ目の喩えだな」
「俺の、目が…?」
サンジの眉間は怪訝さに皺が寄り、次第に、その目はウロの度合いを増した。知らぬ振りの出来ぬ、目。
「お前何見てた」
鋭さを増したゾロの声に少しだけ考えて、サンジは言った。
「さあ…?」
その目はウロの片鱗を残していた。
ロクでもねェモンじゃ、ねェといいな。
見るべきモンが分からねェなら、俺を見ときゃいい。
ゾロはそう思った自分に気づいて、少しウロの気分になった。
20170529,0530
*ウロは木のウロだけを示すわけじゃない、と今知りました。単純に「内部が空になっているところ」の意味なんですね。そうかー。ゾロは木にぽっかり空いた穴のことをウロと言うのだと思っていた、ってことにしといてください(作者の知識不足は出演者の知識不足ってことにしていくスタイル)(ごめんなゾロ。そうじゃないとこの話成立しないんだわ。)
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