『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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「好きな人がいるんです」
「俺?」
真顔で言うサンジにビビは苦笑した。
そうだったら良いのに。
サンジはそう思っている。それが自分の本心だ、とも思っているのだろう。自分を、そうとも思わずに上手に欺く人だ。
全く。サンジさんだったら良いのに。どうして、サンジさんじゃないんだろう。どうして。
ビビの苦笑を、自分の発言が的外れだった所為だとでも思ったのだろう、サンジは「えー違うのー」等と言いながら体をくねらせている。
違く、ありません。
そう答えてしまえば、何か、変わるだろうか。サンジが心から自分を愛してくれて、楽に、なれるだろうか。
楽に?
辛いの?
コーザの事を、好きで堪らないのに。それが、辛いの?
そう思ったら、口が勝手に動いていた。
「違く、ありません」
たおやかな微笑みさえ浮かべて。
ビビは、自分は悪魔に乗っ取られたのだ、と思った。
サンジは呆気にとられた顔をした。ぽかんと口を開け、咥えていた煙草が落ちそうだ。その顔のあまりのあどけなさに、ビビは笑みが漏れた。心からの、笑みが。
「え、ビビちゃん、ほんとに?」
慌てて言い募るサンジに、笑い声さえ漏れる。
私、サンジさんが好きだ。
サンジ“だけ”を好きなのではないとしても——決して“嘘”ではない。
「ええ、サンジさん。好きよ」
サンジは取り縋る様に掴んでいたビビの両肩を、優しく包み直した。
「俺も、ビビちゃん。大好きだよ」
滅多に見せない神妙な顔をして。
ビビはにっこり微笑んで、瞳を閉じた。やや躊躇する間があって後、唇に柔らかな、仄かに煙草の香りのする熱を、感じた。
20140607,0609,0618
*前回あとがきに昏くて泥沼な昼メロバージョンのあらすじをつけましたら、食い付いてくださった方が居て…昼メロバージョンで行くのか、美しく別れたバージョンで行くのか、はたまたもう続けないのか。例によってノープランです。すみません。ごめんねビビちゃん。
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