『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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何をしても駄目な日、というのは、ある。
卵の殻の破片が、ボウルに入った。
研いだ米が二粒、流れて行った。
鍋を洗う手が滑り、重たい鍋がカップの把手に激突、コーヒーカップが湯飲み茶碗に早変わり。
挙げ句の果てに、腹立ち紛れにふっかけた喧嘩を買ったマリモの刀の柄が、脛のイイ感じの箇所にヒット、マリモの目前で悶絶する羽目に陥った。
「お前今日、調子悪ィな?」
マリモが見てる。忌々しい。嗤うのか? 情けない俺を、嗤う気か? 畜生。嗤いたくば嗤え。今日の俺には誰でも勝てる。こんなチャンス、滅多に無いぜ?
俺はもう情けなくて情けなくて、いっその事号泣してしまいたい気分で、甲板に丸まって転がった。
こんな時はどうしたら良いんだったっけか?
全く思い出せないと言う事は、俺はこんな時の対処法を全く知らないんだろう。
やけっぱちになって今日の数多の失敗をつらつらと挙げていき、涙を流す事を自分に許した俺の頭に、マリモの手が降ってきた。
「——何だよ」
「まあ、そんな日もあるさ」
マリモは、嗤うでも無く、責めるでも無く、なんだか神妙な顔で俺の頭を撫でた。
慰めてくれんのか。
ますます涙は止まらなくて、この世の終わりみたいな顔でマリモを見上げると、マリモは「ん」と両腕を広げてみせた。
もしかして、胸でも貸してくれるつもりか。
微妙だ。非常に微妙だ。
しかし、もう何でも良い。なにせ今日は何をしても駄目な日だ。溺れる者は藁をも掴むのだ。
俺はもそもそと体を起こすと、思い切ってマリモの胸に飛び込んでみた。
胸板は厚く逞しくて、涙と鼻水を擦り付けるのに、非常に適していた。
マリモの片手は俺の頭を、もう片方は俺の背中を、たどたどしくも撫でている。
うっかりと、その心地良さに慰められた。
それが、散々だった今日の締め括り。
何をしても駄目な日、というのは、あるのだ。
20121012
うっかり恋に落ちちゃったりね。
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