『ONE PIECE』の腐妄想(主に戦闘員×料理人)や感想など*大人の女性向け腐要素満載
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ゾロの前にその天使が現れたのは、ゾロが中学生になった時でした。
「天使ってのは何の事だ」
突然頭上から降った声に、俺はぼんやり目を開けた。
ゾロが、ネクタイを緩めながら広げっぱなしのノートを覗き込んでいる。
「…俺」
「自分で言うか」
「うっせぇ、勝手に人のノート見んなよ」
俺は慌ててノートを閉じる。宿題の最中、うっかりそのまま寝てしまったらしい。
『自分の半生をファンタジックに表現してみましょう』というのがその課題で、俺は俺のエンジェリック伝説を十歳年上の幼馴染目線で一大スペクタクルにまとめようと文頭を書き出した所で睡魔に襲われたのらしい。作者自らたったの一行で眠気を催す様な課題が入学後一発目の宿題だなんて、高校とはなんとつまらない所か!
「見られたくねェなら、広げとくな。しかも人ん家で」
「しょうがねぇだろ。——飯食うだろ?」
ゾロは俺の頭をポンと叩いた。
「先風呂入る。——しかしお前文才ねェな」
「うっせぇよ!俺ァてめェの文才なんて見た事ねェぞ、それどころか知性の欠片も見た事ねェ!」
「バカ言え、お前の勉強見てやったろ」
「そんで俺に文才がねェってんなら、そりゃてめェの責任だろ!」
ぷいと互いにそっぽを向いて、その場を離れる。俺は台所へ、ゾロは風呂へ。ゾロがシャワーを使う音を聞きながら、おじさんの分を残して夕食の仕上げをする。食卓に戻ってみれば閉じた筈のノートは開かれており、俺のファンタジック半生は二行に増えていた。
その天使は実は悪魔であったと、ゾロは十二年の間に認識を改めました。
あのヤロウ。俺のどこが悪魔だってんだ。
顔に似合わず繊細な文字で綴られた一文を、俺はそっと指でなぞった。
20140723,0731
*komaさんのblog、7月17日付『日傘』に滾った結果書く事になった年の差パラソル。見切り発車です!(堂々と)(日傘はいずれ…いずれ出てきます…)komaさん、ネタとタイトルありがとう!同い年パラソル頑張って!←
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